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2700) TSMS創業者とソニー盛田会長

 2024年2月24日に、九州熊本県菊陽町に建設された台湾の半導体企業TSMS(Taiwan Semiconductor Manufacturing Company Limited)の工場の開所式が行われた。

 テレビ、ネットはその様子を大きく報道する。菊陽町の土地価格の上昇及び町の変化を伝える。

 その開所式で、TSMSの創業者であるドクター・モーリス・チャン氏(張忠謀博士)が挨拶した。

 その挨拶の全文を、「Car.Watch」というホームページで谷川潔氏が記している。
(https://car.watch.impress.co.jp/docs/news/1571496.html)

 チャン氏は、次のごとく挨拶する。

 「1968年は初めて日本を訪れた年です。当時TI(テキサス・インスツルメンツ)の副社長でありました。そして、IC(Integrated Circuit、集積回路)ビジネスの担当をしておりました。1968年に日本に参りましたが、目的はTIとソニーのジョイントベンチャーを行なうことでした。そしてソニーの盛田昭夫さまを訪問しました。」

 チャン氏は、ソニーの盛田会長と初めてあったことを披露する。

 二人の会談は、2時間ほど続けられたという。

 話の内容は、ソニーとTIの合弁事業の話であったようである。

 その合弁事業の話し合いの結果、1973年に鳩ヶ谷工場、大分県の日出工場を立ち上げ、そして1980年には「より大きな工場を成田空港の近くの美浦で立ち上げました。」と述べる。

 会談で最も記憶に残る盛田会長の言葉は、下記と述べる。

 「あなたはいい意味で、日本で達成するイールド(Yield、歩留まり)にびっくりされるだろう」という言葉であったと言う。

 TI(テキサス・インスツルメンツ)が、日本で鳩ヶ谷工場、日出工場、美浦工場を作ることが出来たのは、「盛田さまの予測は本当にそうなったわけです」と、チャン氏は述べる。

 チャン氏は、TIを辞め、1987年TSMCを台湾で設立した。そしてTSMSを世界的な半導体企業にした。素晴らしい企業経営能力を持った人である。

 ソニーを世界的企業にした盛田昭夫氏に劣らない人である。

 そして今回、 ソニーセミコンダクタソリューションズ、デンソー、トヨタ自動車が出資するJASM(Japan Advanced Semiconductor Manufacturing)と共に、TMSCは、熊本に半導体工場を造った。

 「Car.Watch」というホームページが報じるTMSCの創始者のチャン氏の熊本工場開所式の挨拶を読んで、私は、初めて、TMSCの創始者のチャン氏が、テキサス・インスツルメンツの副社長で、TIが日本で工場を造っていたことを知った。

 そして、ソニーの盛田会長とも面識があったことを知った。改めて盛田昭夫氏の経営者としての先を見る目の確かさを再認識する。

 テキサス・インスツルメンツが日本に工場を持っているのかと思い、検索エンジンのグーグルで、「テキサス・インスツルメンツ 日本」と入力して検索して見た。

 「日本TI会社概要」がトップに検索された。
(https://www.ti.com/ja-jp/about-ti/company/japan.html)

 日本テキサス・インスツルメンツ合同会社という会社が、1968年に設立されている。資本金5億円、従業員約1200人、本社東京都港区とある。

 主要販売製品は、集積回路(IC)、DLPである。

 事業沿革は、「テキサス・インスツルメンツ・インコーポレイテッド(本社:米国テキサス州ダラス、略称:TI)を親会社とする半導体の製造、販売を行っている外資系サプライヤです。

 先端テクノロジーを搭載した幅広い製品ポートフォリオのご提供、TI ワールドワイド・ネットワークを生かした生産体制、充実した営業および技術サービスにより、お客様のグローバル・ビジネスをサポートいたします。」とある。

 工場は、1973年日出工場(大分県)操業開始、1980年美浦工場(茨城県)操業開始とある。チャン氏の挨拶の内容と同じである。

 1973年の鳩ヶ谷工場が抜けているようである。鳩ヶ谷工場はどこへ行った?


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