○鑑定コラム

2725)　東京のSRC造とRC造の事務所建築費の相関関係が2019年で崩れた

　先の鑑定コラム2724)で、東京のRC造事務所の建築単価が、2019年51.87万円/�u、2023年35.95万円/�uと記した。

　上記コラムの建築工事費分析で使用した同じ国土交通省の「建築着工統計調査」で、2013年〜2023年の東京のSRC造事務所とRC造事務所の建築単価を分析すると、下記である。

(SRC造)

東京	SRC造	事務所
年	棟数	延床面積 �u　a	建築工事費予定額 万円 b	工事費単価　万円/�u b/a
2013年	27	231263	8163050	35.30
2014年	18	510557	20222880	39.61
2015年	20	147644	6446491	43.66
2016年	17	96842	4148854	42.84
2017年	11	259184	11606000	44.78
2018年	10	72041	3802364	52.78
2019年	15	78235	3821720	48.85
2020年	9	26366	1229573	46.63
2021年	12	54610	2799390	51.26
2022年	18	187840	10164999	54.12
2023年	12	154983	8747794	56.44

(RC造)

東京	RC造	事務所
年	棟数	延床面積 �u　a	建築工事費予定額 万円 b	工事費単価　万円/�u b/a
2013年	88	120406	3333042	27.68
2014年	78	146598	5020854	34.25
2015年	61	66833	2311104	34.58
2016年	91	243203	9773749	40.19
2017年	85	189848	7188334	37.86
2018年	85	83668	3517281	42.04
2019年	90	100011	5187991	51.87
2020年	85	191605	8857194	46.23
2021年	100	571401	34977918	61.21
2022年	94	172422	6381992	37.01
2023年	127	377523	13571215	35.95

　SRC造事務所単価とRC造事務所単価を比較すると、下記一覧である。

年	SRC造工事費単価　万円/�u	RC造工事費単価　万円/�u	SRC/RC
2013年	35.30	27.68	1.28
2014年	39.61	34.25	1.16
2015年	43.66	34.58	1.26
2016年	42.84	40.19	1.07
2017年	44.78	37.86	1.18
2018年	52.78	42.04	1.26
2019年	48.85	51.87	0.94
2020年	46.63	46.23	1.01
2021年	51.26	61.21	0.84
2022年	54.12	37.01	1.46
2023年	56.44	35.95	1.57
平均			1.18

　東京RC造事務所の建築単価は、2021年には、�u当り61.21万円となった。坪当り200万円を超えた。東京RC造事務所ビル建築バブルを反映した建築工事費か?

　2022年は一転大幅に下落して37.01万円/�uである。2023年はなお値下がりして35.95万円/�uである。

　一方、SRC造事務所の建築単価は、2019年、2020年と少し下がったが、その後値上がりに転じ、2023年の建築費は、2019年、2020年の建築費を上回っている。�u当り56.44万円であるから、SRC造事務所建築費もＨ型鋼の値上りが続いていることから、近い将来には�u当り60.5万円、即ち坪当り200万円を超える建築費になるのでは無かろうか。

　上記建築費単価をグラフにすると、下記である。









　東京RC造事務所建築費の2021年の�u当り61.21万円の上昇、そして翌年2022年及び2023年の37.01万円/�u、35.95万円/�uの建築費の大幅下落がどうして生じたのか分からない。

　2013年〜2018年までの東京のSRC造事務所建築費単価とRC造事務所建築費単価は、常にSRC造事務所建築費単価が高く、その開差はSRC造事務所建築費単価が20％程度高かった。

　その両者の相関関係が、2019年以降崩れた。


　　鑑定コラム2724)「2019年と2023年のRC造用途別建物の建築工事費の開差」

　　鑑定コラム2723)「Ｈ型鋼が高くなっている」

　　鑑定コラム2715)「最高裁が法の前の平等を無視　晴海選手村都有地廉売事件上告棄却


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