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2895) 大成建設が東洋建設にTOB 売上高の0.95の買収価格


 報道通信会社の共同通信が、2025年8月8日21時45分に、「大成建設、東洋建設を買収へ TOBで完全子会社化」と報じる。

 そして、時事通信が、2025年8月8日23時37分に、「大成建設、東洋建設を買収 1600億円で全株式取得」と報じる。

 翌日早く、2025年8月9日2時00分に、日本経済新聞は、「大成建設が東洋建設買収、「陸・海」の境界崩す 市場縮小に危機感」と報じる。

 大成建設が、海洋土木会社の東洋建設を、TOBで全株買収し、子会社にするようである。

 買収価格は、1600億円と報じる。

 日本経済新聞は、TOBの1株価格は、1750円と記す。

 東洋建設の発行株式数は、94,371,183株であるから、全株買収の価格は、
       1750円×94,371,183株=165,149,570,250円
である。1651億4900万円が買収価格である。

 東洋建設株式会社の発表されている財務諸表を見ると、2025年3月期の連結売上高は、1726億500万円である。

 売上高に対する買収額は、
       1651億4900万円÷1726億500万円=0.956≒0.95
売上高の0.95の価格である。

 「えっ! 売上高とほぼ同じ価格で買収する? そんな価格で買収して大丈夫か。」と私は売上高に対する比較で、買収価格に驚いた。

 それは、今年5月にインフロニア・ホールディングという会社が、三井住友建設を買収した金額が、売上高の1/5の金額であったからである。

 貸借対照表の資産の部の固定資産を見ると、有形固定資産は、474億2300万円である。

 有形固定資産に対する買収額は、
       1651億4900万円÷474億2300万円=3.48≒3.5
3.5倍の価格である。

 建設会社は装置産業ではないから、固定資産の中心である土地価格、建物価格は小さい。

 損益計算書より利益額を見ると、下記である。

      営業利益     116億5100万円
      経常利益     110億0710万円
      当期純利益    85億3400万円

 売上高に対する営業利益率は、
       116億5100万円÷1726億500万円≒0.0675
6.75%である。

 2025年8月8日に東京商工リサーチが発表した上場ゼネコン53社の2025年3月期の営業利益率は5.0%である。東洋建設の営業利益率は6.75%である。東洋建設は優良企業である。

 買収額に対する営業利益率は、
       116億5100万円÷1651億4900万円=0.0705≒0.071
7.1%である。

 投下資本の回収年は、
       1÷0.071=14.08≒14.1
14.1年ということである。

 14.1年で投下資本を回収するという買収価格は、妥当な価格水準では無かろうかと思われる。

 売上高とほぼ同じ価格で買収すると知って、最初は驚いたが、東洋建設の営業利益率の高さを知り、投下資本の回収が15年以内で可能とわかり、1651億4900万円の買収価格に納得する。

 今年(2025年)5月にインフロニア・ホールディングという会社が、三井住友建設を買収した。

 この企業買収については、鑑定コラム2860)で記している。

 その時の買収価格に対する営業利益率は8.1%であった。

 投下資本の回収年は、12.4年であった。


  鑑定コラム2860)
「三井住友建設の買収額は売上高の5分の1」


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