私の住んでいる府中市の北東はずれ辺りに、広大な都立の多磨霊園がある。
今年(2006年)の旧盆に多摩霊園を散歩した。
「墓を散歩するとは?」と少し奇異に思われるかもしれないが、多摩霊園は公園墓地であり、多摩霊園には作家、芸術家、実業家、政治家等多くの著名人の墓があり、それを散歩がてら訪問してみようとしたのである。
広い霊園であり、著名人の墓を捜すのも大変であるが、今回は3つの墓を訪問した。
1つは、「女性にも教育を」と言って、大妻学院を創立し、女子の中学校、高等学校、大妻女子大学までも創った教育者の大妻コタカ氏の墓であった。私の事務所の近くにその学院があり、事務所の前の通りが通称「大妻通り」と言うこともあり、親しみを感じて訪問した。
白い菊の花一輪が墓前に捧げてあった。清楚な感じのする墓であった。
2つ目は、元首相の大平正芳氏の墓である。
芝生の中にあって威風堂々とした横幅のある墓である。墓を見ていると、もぐもぐと意味不明の説明をして、細い目をした四角い顔の柔和な笑顔が思い出されてくる。
最後は、岡本太郎前衛芸術家の墓である。
これが墓かと思うものであった。
両手でほお杖をした子供の笑っているような穏やかな大きな顔である。
大阪万博の「太陽の塔」を思い出させる、大胆な鼻と目をした芸術作品と呼べる墓である。
それもそのハズである。
岡本太郎が、1967年に制作した「午後の日」の彫刻をブロンズ化したものである。
墓のイメージとはほど遠く、度肝を抜く芸術品の傑作である。
世の中には奇特というのかいろんな人がいて、インターネットで多摩霊園に眠る著名人の墓を紹介するホームページがいくつかある。
その中の一つの「歴史が眠る多摩霊園」のサイトで岡本太郎の、上記ブロンズの墓を見ることが出来る。
下記の http をクリックすれば繋がります。
http://www6.plala.or.jp/guti/cemetery/PERSON/A/okamoto_ta.html