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403)水道管埋設工事費はどれ程かかるか

 水道の無い土地に、水道を引き込むにはどれ程の工事費用がかかるで有ろうか。

 水道の有無は、土地価格に大きく影響する。

 水道の無い土地では、住宅地として使用することが出来ない。
 井戸を掘れば良いが、堀った井戸の水が飲料水に適するという保証は無い。

 隣接土地まで公設水道管がきていれば、そこより引き込むことで工事費は安く済むであろうが、来ていなかった場合はどうするのか。

 前面道路に水道管が埋設されていなく、50m先の道路まで公設水道管が埋設されている場合、そこより水道を引き込もうとすれば、どれ程の工事費がかかるであろうか。

 市役所の水道課にどれ程の工事費がかかるかと聞けば、工事費については市の指定水道工事業者に聞いてくれと言う。
 市への水道負担金はどれ程かについては教えてくれる。

 市の水道指定業者の所に聞きに行けば、水道業者はおおよその工事費がかかるか分かっているが、おいそれと教えてくれない。金にならない事に対してはなかなか教えてくれない。その気持ちは充分分かる。

 道路の勾配や深さ、埋設管の径、途中にどんな埋設物が有るか分からない、埋設後の道路舗装の有無等によって工事費が変わるなどといろいろ理由をつけて、はっきりした金額を言わない。

 水道工事の依頼をすれば、見積書を出すという。

 とはいえ、おおよそどの位の費用がかかるか、条件をつけて教えてくれる。
 しかし、それはあくまでもおおよそで、実証出来るものが必要である。

 設備建設工事歩合表で、モデル工事歩合に単価を入れて求めることも出来るが、それもかなり面倒なことで有る。どうしてもというときには、その方法を使って工事費を求め無ければならない。不動産鑑定評価の価格手法で言えば、その手法は積算価格的なものである。

 取引事例比較法的な方法は無いものかと考え、インターネット上のホームページをいろいろ錯誤しながらいじくっていたら、水道管埋設工事の入札予告、入札結果の記事が飛び込んで来た。

 「そうだ。
  地方公共団体が実行している水道管埋設工事の入札をホームページで調べれば良いではないか。」
と思い、調べてみた。

 ある。ある。

 日本全国の地方公共団体のいくつかが、水道、下水道、道路工事の入札結果或いは工事予定金額を示した入札の知らせを公開している。
 金額のみの場合もあるが、内容も公開しているのもある。

 最近の水道管埋設工事の落札結果或いは工事予定額を調べてみた。
 口径、長さによって落札金額等は異なる。
 それは当然である。

 金額を施工長さで除せば、メートル当りの水道管埋設工事費が分かる。

 多くのデータが得られたが、その中のいくつかを下記に記す。
 水道管埋設工事費算出の参考になるのでは無かろうかと思う。

 1.径75  長さ179m   設計金額   約9,600,000円 
 2.径100  長さ62m    落札金額   約5,300,000円
 3.径100  長さ59m    落札金額   約2,700,000円
 4.径200  長さ215m    落札金額   約15,900,000円
 5.径450  長さ800m    工事予定金額 約67,400,000円

   金額を長さで割った1メートル当りの工事費は、下記の通りである。
 1.メートル当り  53,600円
 2.メートル当り  85,500円
 3.メートル当り  45,800円
 4.メートル当り  74,000円
 5.メートル当り  84,300円

 設計金額若しくは工事予定金額と、落札金額のどちらの金額で考えるべきであるか戸惑いが出てくる。

 管の埋設深さは1.2メートルから最近は浅くなりつつある。それによって公共工事費の削減が行われているようである。

 一般家庭の場合、口径は25ミリである。
 昔は13ミリ管が配管されていたが、それでは台所・風呂水を同時に使った場合、水の出が悪くなる。

 例えば、径25ミリ管の水道管を距離50メートル道路に埋めて引込工事を行うとする。
 工事単価をメートル当り5万円とすると、
      50,000円×50メートル=2,500,000円
の工事費となる。

 当該土地の価格が、水道ありの状態の土地取引事例と比較して25,000,000円とする。

 水道が無いことによる土地価格減価率は、
      250万円÷2500万円=0.1
−10%の価格修正ということになる。

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