物流倉庫業者であるイヌイ建物株式会社が、神戸市灘区で大型倉庫の建設を発表した。(2007年9月7日 イヌイ建物株式会社ホームページプレスリリース)
2008年の4月で分析して記事にするには少し遅いかもしれないが、それはともかくとして、プレスリリースのデータより物流倉庫の建築費、還元利回りを分析してみる。
倉庫の価格分析・鑑定評価の参考になるのでは無かろうかと思う。
プレスリリースによれば、倉庫の土地は信託受益権の取得で、面積31,346.57平方メートルである。
予定建物の規模は、1〜3階はRC造、4階はS造の4階建で、のべ床面積72,947.08平方メートルである。その賃貸面積は60,292.72平方メートルである。
土地(信託受益権)の取得価格は36億円である。
倉庫土地の取引形態は信託受益権によるものである。実質的には所有権売買とほぼ同じであるが、信託受益権による土地取引がごく一般的に行われる様になって来た。この取引形態が社会に広く受け入れられつつあると言える。
予定建物の建築費は約60億円である。
土地建物の取得金額は総計96億円の倉庫である。
建物の建築費の単価は、
6,000,000,000円÷72,947.08平方メートル≒82,300円
である。
RC造倉庫を造る場合の建築費はいくらかかるかという質問に対しては、平方メートル当り82,300円の金額が1つの回答のデータになるであろう。
賃貸面積当りの倉庫の価格単価は、
9,600,000,000円÷60,292.72平方メートル=159,223円≒159,000円
である。
ここで以前賃貸面積当り価格と倉庫賃料の価格分析を行った。
その分析結果は、鑑定コラム261)「流通倉庫の取引価格と利回り」に記述してある。
その分析結果を一部再記すると、
平方メートル当り賃料 賃貸面積当り価格 1,000円 139,000円 1,100円 154,000円 1,200円 168,000円 1,300円 183,000円である。