東京23区の西のはずれの杉並・中野区の西側の地区は、都下といわれる市町があり、23区に対して多摩地区と称される。
多摩地区の賃貸マンションの家賃の評価のため、10近くの物件を見るために多摩地区を南から北に車を走らせた。
街道沿のガソリンスタンドのガソリンの販売看板表示価格が目につく。
レギュラーガソリン1リットル158円、157円、159円等の価格表示である。ハイオクはレギュラーよりほぼ10円高い。
1ヶ月半ほど前(2008年3月末)に、民主党が多数を占める参議院でのガソリン税の暫定税率の期間延長法案審議がなされない為、期限切れとなって、ガソリンにかかる暫定税率が廃止になった。そしてガソリンは税金分相当として1リットル25円前後下がった。
しかし、それも1ヶ月程度であって、再度衆議院で議員の2/3の多数を占める自民党等の与党によって、ガソリンの暫定税率の加算法案が再可決されてしまった。
暫定税率の加算と原油の1バレル120ドルを越える馬鹿高が影響して、ガソリン価格は前記のごとくの高い価格になってしまった。
産油国のOPECは、現在の原油高は産油国が作りだしたものでは無く、取引価格のおよそ半分は、投機資金によるものであるという。
だぶついたドルが、原油の先物取引にむかい、史上最高値の更新を続けている。
原油を原材料とする精製品のガソリンは、原油高によって販売価格が高くなるばかりである。
石油元売り会社は、原油高を理由としてガソリンの販売価格をなお上げようとしている。
「暫定」という名の税率を40年近くも続ける税法も税法である。30年とか40年という期間を暫定の期間とは云わない。
暫定税率に反対する民主党に対して、政権与党の自民党は、暫定税率に反対してガソリンが安くなることは、炭酸ガスの排出を促進することであり環境に悪い影響を与える事であって、そういう事を行おうとする民主党は環境保全を考えない政党であるという。
お粗末な理由による反対党攻撃である。
そして暫定税率が無くなることによる2.6兆円に近い税金の穴埋めをどうするのか。税金の補填を考えない政党は政権を担える政党では無いと攻撃する。
この税金の補填に対して、野党の民主党もはっきりした反論をしない。
情けない政党である。議員立法する為の理論武装する学者を抱えていないのか。
暫定税率による税金の穴埋めは、財務省は猛反対するであろうが、100兆円余の外貨準備高を過渡的に取り崩せばよかろう。
そもそも100兆円もの外貨を貯め込んで、どうするつもりなのか。
原油については、日本は過去2度の石油ショックの経験から、原油の備蓄を行っている。国家が90日分、民間が80日分の原油を確保している。
苫小牧、青森六ヶ所村、男鹿市、久慈市、新潟聖籠町、福井市、今治市、北九州市、長崎新上五島町、鹿児島県等に備蓄されている。
それは陸上でもあり、海上でもある。
この備蓄原油を何故使おうとしないのか。
原油を備蓄する法律「石油の備蓄の確保等に関する法律」は、備蓄原油を利用する場合を、「我が国への石油の供給が不足する事態が生じ、又は生ずるおそれがある場合」と規定する。原油高による使用を明記していない。
しかし、同法の目的は、「国民生活の安定と国民経済の円滑な運営に資することを目的とする」ものであり、原油の無茶高によるガソリン価格の著しい高騰価格は、国民生活を不安定にし、国民経済の円滑な運営を妨げるものであろう。
かって政府は、米国テロ事件後、原油が1バレル27ドル程度になった時に、国家備蓄原油を価格高騰時にも対応出来る様に柔軟な姿勢を打ち出したのでは無かったか。それは平沼赳夫経産相の時であったと私は記憶している。
1バレル27ドル程度の時に、国家備蓄の原油放出を考えているのに、1バレル120ドル超の時に備蓄原油放出を考えない政策は、私には全く理解しがたい。
原油は備蓄しているだけで、少なからぬ量が蒸発して無くなるハズである。