夏は終わり秋も晩秋に入った。
金、金、金、倒産、そして日経平均株価の8000円割れの暴落、ダウの連日の500ドル下落等と、全く面白くない事ばかりが続きイヤになる。
この大事な時に、アメリカ大統領のジョージ・ブッシュの存在感がまるでない。出しゃばりの目立ちたがり屋では無いかと思いたくなる程、フランスのサルコジ大統領が、やたらに新聞・テレビに出ている。
これら日本経済、世界の政治・経済とは全く無縁のしばしの時間を。
石原裕次郎が、「・・・・・小島の秋だ」と歌う「錆びたナイフ」の歌詞と、啄木の詩集『一握の砂』とは関係があると知って、私は驚いた。
「東海の 小島の磯の白砂に われ泣きぬれて 蟹とたはむる」
の短歌に始まる石川啄木の詩集『一握の砂』には、500余首が詠われている。
その中で、私の好きな短歌が数首ある。
「砂山の 砂に腹這ひ初恋の いたみを遠く おもい出づる日」
「たはむれに 母を背負いてそのあまり 軽きに泣きて 三歩あゆまず」
「はたらけど はたらけど なおわがくらし楽にならざり ぢっと手を見る」
「ふるさとの 訛りなつかし停車場の 人ごみの中に そを聴きにゆく」
「ふるさとの 山に向かいて言うことなし ふるさとの山は ありがたきかな」
の短歌である。
最後の「ふるさとの山に向かいて・・・・」の、私にとっての「ふるさとの山」は、中央アルプスの最南端の恵那山である。
故郷の南にどっしりと構えた山容は、高校時代まで朝な夕なに毎日見てきた姿であり風景で有って、それはまぶたに焼き付いている。
私の好きな歌謡曲の1つに石原裕次郎が歌った「錆びたナイフ」という流行歌がある。
作詞萩原四郎、作曲上原賢六で、昭和32年頃に作られヒットした歌謡曲である。
「砂山の砂を 指で掘ってたら 真っ赤に錆びた ジャツクナイフが出てきたよ どこのどいつがうずめたか 胸にじんとくる小島の秋だ」