古河電工という会社が昨年(2001年)11月、アメリカのルーセント・テクノロジーという会社の光ファイバー部門を2,800億円という巨額の金額で買収した。(日経2001.11.16)
現在その会社はOFSという名前で古河電工の子会社となっている。
この買収のニュースを知った時、このOFS買収の金額があまりにも巨額であり、光ファイバー工場はそれだけの投資をして1兆円位の売上がある会社であるのだろうかと当時思った。OFSの売上高がいか程か新聞は報じていなかったから、分からなかった。
その後「売上高と同じ金額で買収出来るのだから安い買い物だ」という古河潤之助社長の発言が伝わってきた。
それを聞いて「冗談であろう。工場を売上高と同じ価格で購入する経営者など居ない。工場の価格は売上高の4分の1か、5分の1だょ。売上高と同じ価格で工場を買ったら、会社は潰れてしまうょ」と職業柄すぐ思った。
その後、古河電工の売上高にOFSの売上高を計上するために、OFSの1.5ヶ月分の売上高は、OFSの前期売上高から208億円と予測計算したという記事が出ていた。
これから考えると、買収時のOFSの売上高は年間で、
208億円×12÷1.5=1,664億円
と推定される。
工場の価格は、売上高の1/4〜1/5である。
売上の20%とすると、
1,664億円×0.2≒333億円
333億円がOFSの工場の価格である。これを2,800億円という飛び上がる程の馬鹿高い価格で、どうして購入したのか。特許が絡んでいるであろうとしても無茶高である。
2,800億円で購入したのであるから、古河電工の売上高はOFSの4.5ヶ月の工場の売上5,300億円(2,800億円×5÷12×4.5≒5,300億円)分が加算されて、2002年3月期の売上は1兆3000億円程度では無いだろうかと思っていた。
それは決算書でいずれ分かるであろうと、古河電工の2002年3月期の決算書の発表を待った。
古河電工の決算売上高は予想を全く覆すものであった。
古河電工の決算書の売上高は次の通りであった。
2000.4.1〜2001.3.31 8,270億円 2001.4.1〜2002.3.31 7,714億円 (7,639億円)( )内はOFSを除いた売上高である。
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