名目国内総生産の計算はどの様にして行われるのであろうか。
国内総生産とは、国内で一年間に生産された財貨やサービスの合計である。実質国内総生産と名目国内総生産がある。
実質国内総生産とは、ある年を基準にして貨幣価値の変動を排除した実質価値の国内総生産である。名目国内総生産とは、その年の価格で評価した国内総生産をいう。名目国内総生産には貨幣価値の変動が含まれている。
国内総生産は国内の財貨、サービスの合計という訳であるから、その計算は産業連関表とか数百の方程式を使って、複雑に計算されるのでは無いかと推定するが、実際にどの様にして求められるのか私は知らない。新聞で発表される名目国内総生産の金額を、そのままそういう金額なのかと受け入れているに過ぎない。名目国内総生産の金額を推定する術を持っていない。せいぜい過去の発表された名目国内総生産の金額より、時系列に変動率を求め、それから推測する程度である。
ある経済記者がこんなことを述べている。
「当座預金には面白い法則がある。年末の残高を20倍すると、その年の名目国内総生産(GDP)の金額にほぼ一致する」と。(日経2002.8.13)
そして、1975年以降の当座預金残高と名目国内総生産の金額の相関グラフを示している。そのグラフを見ると、確かに当座預金残高と名目国内総生産とは近接し、同じ傾向で変動している。
2001年12月の全国銀行当座預金残高は23兆7951億円である。
23.7951兆円×20=475.9兆円
になる。政府発表の2001年の名目国内総生産は、500兆2170億円であるから、誤差は5.1%(500.2170÷475.9=1.051)である。
こんなに簡単に名目国内総生産のおおよその金額を把握する方法が在ったのか。
驚いている。
もっと早く教えてくれよと言いたくなる。
過去3年の当座預金残高と名目国内総生産とを比較してみると、下記の通りである。全国銀行当座預金残高は日本銀行の「金融経済統計月報」による。名目国内総生産は内閣府発表による。
年 当座預金 その20倍 名目国内総生産 億円 億円 億円 1999年 24兆8110 496兆2200 514兆3490 2000年 23兆1933 463兆8660 513兆0060 2001年 23兆7951 475兆9020 500兆2170全国銀行当座預金残高の20倍の金額と、名目国内総生産との開差割合を次のごとく求める。
1999年 1.036 2000年 1.105 2001年 1.051名目国内総生産は、当座預金残高の20倍で求められた数値より3〜10%高い水準にある。このことは当座預金残高の20倍の数値に1.06(上記開差割合の平均値)を乗ずれば、名目国内総生産の金額を求めることが出来るということである。
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