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587)新しい経済秩序は「ニューノーマル」

 聞き慣れない言葉を目にした。
 サブプライムローン問題による金融危機から脱した後の世界経済秩序を、「ニューノーマル」というようだ。

 ポストサブプライムローン金融危機を、「ニューノーマル」と言うようだ。

 日本経済新聞2009年9月21日の『月曜経済観測』で、日経編集委員の大田康夫氏による、三菱UFJフィナンシャル・グループ社長の畔柳信雄氏へのインタビュー記事が載っている。

 このインタビューで、畔柳信雄社長が、サブプライムローン問題が原因で生じた世界経済危機の後の現在及びこれからの世界経済を、「ニューノーマル」と呼ぶと述べる。

 「ニューノーマル」とは、聞き慣れない言葉である。私は初めて知った。

 「ニューノーマル」の特徴として、畔柳信雄社長は次の3つを挙げる。

 1番目は、金融経済から実態経済への回帰。
 2番目は、レバレッジ(外部負債依存)からの脱却。
 3番目は、新しい官民の関係。

の3つを特徴という。

 この発言は、現在の日本の銀行のトップの発言である。

 トップの発言の後ろには、重役、部長、課長等多くの人々の分析・検討・議論があり、そして業界の動き等が反映されたうえでの発言である。

 それ故、その発言を知ることによって、現在の日本の銀行は何を考え、どの様な行動をとろうとしているのかを知ることが出来る。

 上の3つが、ポストサブプライムローン金融危機の世界経済の動きの方向のようだ。

 そして畔柳信雄社長は、有望産業・業種として、

 「省資源、環境適合の技術、食料や水資源問題への対応、太陽光発電」

を挙げる。

 銀行トップが有望産業・業種として業種をあげていることは、私は、この産業・業種に、銀行は融資を優先するのだよ言っていることと解釈する。

 悲しいかな、不動産業や建設業を今後の有望産業と挙げていない。
 大きい枠組みの業種として見れば、不動産業に入り、その端くれの業界である不動産鑑定業に生きている者として、真摯にこの発言は受け止める。

 日経の『月曜経済観測』のインタビュー記事内容は、現在の日本経済を動かしているトップが、現状をどう捉えているのかということを知ることが出来、大変有意義なものである。

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