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586)自動車保有台数7968万台を超えられない

 平成21年(2009年)5月末の日本の自動車保有台数は、国交省の発表によれば、78,901,773台である。
 分かり易く書けば、7890万台である。

 平成19年9月に、7968万台という最高保有台数を示したが、その後7908万台まで落ち込んだ。

 それでも平成20年11月に7941万台まで戻したが、平成21年3月には7900万台を割り、7800万台になってしまった。

 自動車保有台数が7900万台を割り、7800万台になったのは初めてである。

 日本の自動車保有台数は、もう7968万台を超えることは無いと思われる。

 平成19年9月が、自動車業界の最高潮の時であった。
 自動車産業という巨大産業が峠を越えたことがはっきりとした。

 しかし、峠を越えたからと云って、自動車産業が無くなると言うものでは無い。これからは、自動車産業は成熟の域に入ることになる。

 培った機械、鉄鋼加工、合成化学、塗装、ガラス、電子技術、精密機械技術等の物作りの技術が引き継がれ、より良い車づくりに進まねばならない。

 もの作りの優れた技術は、ごく最近の次の事柄ではっきりと実証された。

 オバマ政権が、落ち込んだ米経済の刺激策の一つとして、自動車買い替え策を実施した。
 燃費の良い自動車への買い替えを支援するとして、一人当り最高4500ドルの購入代金の補助を行った。

 2009年7月下旬に、当初予算を10億ドルとして政策実行したところ、募集して10日間で予算は無くなってしまった。
 期間を延長して、約20億ドルを追加したが、、あまりの好評で、資金も底をつき、2009年8月下旬に政策を打ち切ってしまった。

 その政策で買い替えられた車は、690,114台で、補助金の総額は28億7790万ドルであった。

 その頃の為替換算1ドル94円とすると、約2700億円である。

 この米政策について、ロイター等のメデァは伝える。
 その中で、毎日新聞電子版が最も詳しく伝える。

 毎日新聞のワシントン発斎藤信宏記者によれば、メーカー別の販売台数は、

        1位   トヨタ自動車      19.4%
        2位    GM                   17.6%
        3位   フォード・モーター      14.4%
        4位   ホンダ         13.0%
        5位   日産自動車        8.7%
であると云う。

 これを台数に直すと、
        1位 トヨタ自動車    690,114×0.194=133,880台
        2位  GM                690,114×0.176=121,460台   
        3位 フォード・モーター  690,114×0.144= 99,380台   
        4位 ホンダ       690,114×0.130= 89,710台 
        5位 日産自動車     690,114×0.087= 60,040台
  である。

 そして車種のベスト3は、
    1位  トヨタ(日本)  カローラ
    2位  ホンダ(日本)  シビック
        3位  トヨタ(日本)  カムリ
という。

 アメリカで補助金28億7000万ドルを使って自動車の買い替え支援政策を行ったのだが、その恩恵を最も受けたのは、日本の自動車会社である。

 それは日本の自動車が燃費が良く、環境破壊がより少ないという特質を持っているためであろう。

 それだけの優れた技術によって、日本の車は作られていると言える。

 話は元に戻る。

 下記に、平成17年以降の日本の自動車保有台数を記す。
 自動車産業が峠を越えたことが、自動車保有台数という数値で、はっきりと確かめることが出来る。数値は国土交通省による。

    平成17年    79,207,207台     
        平成18年    79,452,557
        平成19年    79,371,014

平成19年9月   79,682,171
平成20年    79,236,532 平成21年1月   79,236,729 平成21年2月   79,256,071 平成21年3月   78,800,542 平成21年4月   78,861,082 平成21年5月   78,901,773


 鑑定コラム430)「一つの巨大産業が成長の峠を越えた」

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