3D映画が面白いという噂を聞き、興味を持った。
立体映像による映画とはどんなものであろうかと見に行った。
立体映像を見る為には、特殊な眼鏡が必要と云うことで、劇場入口で黒っぽいサングラスの様な眼鏡を渡された。
その渡された特殊眼鏡をして3D映画を観た。
3D映画は『アバター』と云う映画である。
「タイタニック」の監督のジェームズ・キャメロン監督が、12年目に作った映画という。
映画の立体感は抜群である。奥行感覚が確実に感じられる。立体空間に自分が立ち、その前で現象が生じているごとくである。字幕そのものが空間に浮かんでいる。
大きな鳥に乗った弓矢を持つおびただしい戦士達と、数え切れない無数の戦闘機との空中の戦いの上下左右の動きの速い戦いの映像迫力には圧倒されてしまった。
弓矢と機関銃の戦いでは、機関銃が勝つのは当り前であるのだが、それが鳥に乗って空中で乱舞する弓矢の戦士の方が勝つのである。
コンピュータグラフィックの映像技術の進歩の著しさに驚嘆するばかりである。
ストーリーは極めて簡単である。
別のブログ等で詳しく解説してあろうから、それはそちらで確認されたい。
うがった見方をすれば、現在存在しているアメリカという国が、先住民であるインデアンを殺し領土を略奪して繁栄を築いてきた歴史を、逆にして考えて皮肉っている映画ともいえる。
そして、自分達の利益を得る為に、貴重鉱物を取得しょうとするに際して、手段を選ばず、強引に武器を使って反抗するものは全て殺し、環境を破壊し、自分の欲望を成し遂げようとしている人々への強烈な批判の映画とも受けられる。
「自分達の利益」を「自分達の都合のよい正義論」という言葉に置き換え、「貴重鉱物 」を「出世・権力」という言葉に置き換えたら、それは現在生きている現実の現代の生活の姿となり得る。
映画のシーンの中で、貴重鉱石を手に入れる為に攻撃する側の一人がつぶやく、
「住民を殺さず、出来るだけ穏やかに立ち退かさないと、投資家からクレームがくる」
の言葉、正確では無いがこの類の言葉をつぶやくのがあった。
この言葉が、私には極めて印象に残っている。
『アバター』を観ている最中に、トイレに行くことに我慢出来なくなり、トイレに駆け込んでしまった。
激しい変化の早い3D映像の連続が、脳を強烈に刺激したのであろうか。
そして頭がガンガン痛くなってきた。
映画を見終わって外に出たが、体には甚だ疲労感が残る。ドバーッと疲れが一度に出て来た感じである。
頭はボォーとした状態である。
やる気が何も起こらなく、無力感が頭と体を覆う。
食べ物を食べる気が全く起こらない。
頭がガンガン痛いのは続く。
「アバターショック」というものであろうか。
それとも体質であるのか。
3D映画は、私には当分もういい。
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