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630)オリックスの次の10年

 2010年の初頭(2010年1月7日)の日本経済新聞は、中山修志記者によるオリックス社長の梁瀬行雄氏のインタビュー記事を載せる。

 『2010年の課題を問う』の記事シリーズで、オリックスを取り上げている。

   そのインタビューで、梁瀬行雄社長は、今後のオリックスの進む方向として、下記の2つを挙げる。

 1.中国での投資事業の本格化
 2.環境関連事業

の2つを挙げる。社長の発言であるから、オリックスを知る上には、このことは大きい意味を持つ。

 中国の投資事業については、オリックスは、1981年に北京にリース会社を設立し、中国にリースというビジネスを定着させたという自負があるという。

 環境関連事業とは、オリックス不動産と大京で販売するマンションを、環境対応型に変えて、ビジネスチャンスを広げるという方針のようである。

 オリックスのいう環境対応型マンションというものがどういうものなのか。
 現況のマンション不況で、業況を切り開く程の優れた環境対応マンションとは具体的にどういうものであろうか、しばらくじっと見ていたいと思う。

 オリックスは、事業間口が甚だ広い。
 オリックスの社長自身が、

 「何をやっている会社かわからない。」

と述べるごとく、リース事業から不動産、不動産証券化、企業買収、球団経営等と、何でも儲かるものに対しては手を出す会社というイメージが私にはあった。

 そのことに関しては、当の会社の代表者も同じごとく考えていたようだ。
 事業を広げすぎたために、DEレシオ(負債資本倍率、自己資本に対する負債倍率)は、8倍までいったと云う。

 しかし、現在は改善され4倍を切って財務は充分健全水準と梁瀬社長は云う。

 DEレシオ4倍以下は、財務の健全状態というようだ。

 私にとって、オリックスのイメージは、不動産業のオリックスというイメージが強い。

 その不動産に対して、梁瀬社長はインタビューで、

 「国内の不動産市況はそう簡単には回復しない」

と云う。


 その理由は、不動産の市況が上向くには、

 「潤沢な金融の下支えが必要」

と云う。

 この考えは、私の不動産価格に対する考え方と全く軌を同一にする。

 そして梁瀬氏は、現在は、

 「不動産に資金を提供する金融機関の側の体力がすぐには戻らない」

と分析する。

 それ故に、国内の不動産市況は、簡単には回復しないと、今後の不動産業の見通しを述べる。

 明快な不動産に対する現状分析であると私は思う。

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