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685) タフな2日間

 真夏の暑さ真っ盛りの2010年8月の土・日の2日間、午前10時〜午後5時まで、賃料評価の講演の講師を務めた。

 10人前後の少人数のゼミナール形式による講演・講義である。
 参加者は、全員現職の不動産鑑定士である。

 一日6時間の講義を、2日間連続にするのである。
 疲れは、いささかを通り越してかなりの域である。2日間の講義を終えた後、ドッと疲れが出てくる。

 講義を聴く方々も相当疲れることと思われる。
 受講生の勉強熱心さには、私もいささか頭(こうべ)を下げる。

 最近の賃料鑑定評価の目を覆いたくなる無茶苦茶と言っていいほどの乱れた賃料鑑定の状況を知った人がいた。

 その人曰く、「賃料の評価そのものが全く分かっていなく、そもそも賃料評価を一度も系統的に教えてもらっていないから、自分勝手な考えで賃料評価を場当たり的に行っている。これは根本的に教育し直さなければダメだ」と。

 そして、その人の発案で賃料鑑定評価に特化した集中講義をすることに私は協力することになってしまった。

 「大学で不動産鑑定評価の理論と実務を講義しているだろう。その延長で知識の深い賃料評価について知っていることを、賃料評価そのものを全く知らない不動産鑑定士に話して、身につけている知識をオープンにして広めろ。」
というのである。

 現行の「不動産鑑定評価基準」の間違い個所の指摘・批判は当然として、裁判所に提出されたトンチンカンな賃料鑑定書の間違いを指摘して、正しい求め方を説明する講義を行うことになった。

 また、社団法人日本不動産鑑定協会が、国交省より委託して行われている不動産鑑定士第3次試験合格者に対する実務修習のテキストの継続賃料の鑑定評価例の甚だしい間違いを指摘し、正しい求め方を教える。

 積算賃料、賃貸事例比較法の正しい求め方、そして継続賃料の差額配分法、スライド法、利回り法の正しい求め方を詳しく教えることにしている。

 重回帰分析の求め方の講義も聴きたかったという要望が、第1回目にあったので、2回目からはその講義もすることにした。

 テキストは、著書の『賃料<地代・家賃>評価の実際』(プログレス 電話03-3341-6573)を使用している。

 受講生は、このハードで、且つタフな2日間・12時間の賃料講義を聴けば、私が35年間で培った賃料評価のノウハウを知り、身につけることが出来、不当鑑定の類に属する賃料の鑑定評価書は以後書かなくなると私は思っている。

 受講生の中には、四国より飛行機に乗り、東京で宿泊して参加している人もいる。
 1ヶ月前の前回では、奈良や山形より駆けつけてきて下さった人もいた。

 今回で2回目である。

 受講生が一回で10人程度いる間は続けると、賃料評価の集中講義を行うことを考えた人は言っている。それ故、田原も行えという。

 来月9月の講義も、受講者が6〜7人既に応募していると聞く。
 来月もタフな2日間を過ごさねばならない様だ。


 鑑定コラム710) 「85歳の賃料研修講演参加者に驚く」

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