○鑑定コラム



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710) 85歳の賃料研修講演参加者に驚く

 2010年11月の第一週の土曜日と日曜日の2日間、賃料研修講演を行った。12時間の研修講演である。

 10人前後の人数で、ゼミナール形式のもので、受講する方も話する私もハードな2日間である。

 11月の第一週の土曜日と日曜日の2日間の研修講演をもって、今年(2010年)の賃料研修講演は終える事になった。

 7月から5回開催した。
 北海道から九州から交通費・宿泊費を支払って参加されるのである。
 講演参加費・飛行機代・宿泊費を計算すると、大変な費用負担である。
 それだけの費用と時間をかけて受講されるのであるから、講演する方もそれに見合う以上の内容のものを、真剣になって教えざるを得ないであろう。

 今年最後の賃料研修講演には、85歳の不動産鑑定士が参加された。
 年齢をお聞きして、私は驚いてしまった。それ以上に敬意を持った。

 今迄には70歳、65歳等の不動産鑑定士の参加はあったが、その年齢を遙かに超えた85歳での参加である。

 85歳の不動産鑑定士の方は、2日間のハードな講義内容と時間に耐えて、賃料の勉強をされた。

 85歳になっても、なお不動産鑑定の賃料について学ぼうとする姿勢には、私は頭が下がる。

 「老いて学べば
  則ち死して朽ちず」

という諺がある。佐藤一齊の『言志四録』に出て来る言葉である。

 老年に老いても学ぶことは、知識の衰えが無くなり、見識も深まり人間が磨かれる。それによって自身の判断力も衰えず、社会に貢献出来ることから、死んでも、その人の名は朽ち果てることは無いというごとくの内容の諺である。

 賃料研修講演に参加された85歳の不動産鑑定士の方は、将に佐藤一齊の教えを実践されている人である。
 不動産鑑定業界には、まだまだ優れた人がいるものだと敬服する。

 支払賃料と保証金運用益が実質賃料であり、共益費は実質賃料の外にあると主張する若い不動産鑑定士、減価償却費は再調達原価で行うのであって、取得価格で行う税法のやり方には不動産鑑定は従う必要が無いと言い放つ不動産鑑定士は、賃料評価の奥深さ、怖さを知らない未熟な不動産鑑定士である。

 賃料評価は奥が深い。そして落とし穴がいっぱいある。
 鑑定評価基準に書いてあるから、それに従って求めたのであるから自分の賃料鑑定は適正であると思っていたら、大火傷をする場合もある。

 落とし穴は誰も教えてくれない。大火傷をしないことを祈る。

 『老いて学べば則ち死して朽ちず』 の言葉は、下記の中の言葉である。

 「少(わか)くして学べば
  則ち壮にして為すにあり
  壮にして学べば
  則ち老いて衰えず
  老いて学べば
  則ち死して朽ちず」(佐藤一齊『言志四録』)

 なお来年(2011年)も、希望者が10人程度づつおれば引き続き賃料研修講演を続けると、主催者は考えているようである。電話で確かめられたい。
 電話 03−3341−6935 担当岩田


 鑑定コラム685) 「タフな2日間」

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