西武百貨店有楽町店が2010年12月25日に閉店した。
その閉店記事を、翌日の12月26日の各全国新聞は載せる。
その中の一つの新聞である読売新聞は、次のごとく書く。
「加えて、百貨店業界では、賃料負担は売上高の1割以下が適正とされるが、西武有楽町店の賃料は年約30億円とされ、売上高の2割程度を占めた。」
と。
読売新聞の記者が、百貨店の賃料は売上高の10%という記事を書くとは、思いもよらなかった。
日経の記者であるならば、そこまで踏み込んで書いてもおかしく無いが。
読売新聞のこの記事の個所を読んだ時、私は一瞬日本経済新聞の記者の記事では無かろうかと見紛った。
記事では「百貨店業界では」と記していることから、その賃料割合は、百貨店業界の経済経験則になっていると云うことであろう。
私は2006年4月に百貨店の賃料についての鑑定コラムを書いた。
鑑定コラム273)「百貨店の家賃割合は10.6%か」である。
この時、私は百貨店業界での売上高に対する家賃割合の経済経験則など、全く知らなかった。
百貨店の財務諸表のデータ分析より、百貨店の家賃割合は10.6%と分析したのである。
その数値を鑑定コラムに発表するには、それなりの勇気が必要であった。
誰もそんな割合を発表していない。
私が初めてである。初めてであるから勇気がいるのである。
「違うょ」という強い批判があるのでは無かろうかと思ったのである。
発表後約4年経って、甚だ我田引水であるが、私の百貨店賃料分析割合は間違いで無かったと云うことが立証された。
西武百貨店有楽町店の賃料は、年約30億円という。
30億円として、坪当り賃料を求めてみる。
売場面積は16,000uである。
月額賃料は、
3,000,000,000円÷12ヶ月 = 250,000,000円
250,000,000円である。
250,000,000円÷16,000u = 15,625円
u当り15,625円である。
坪当り賃料に換算すると、
15,625円×3.30578 = 51,653円≒51,700円
坪当り51,700円である。
西武百貨店有楽町店の月額賃料は、坪当り51,700円であったと求められる。
鑑定コラム273)「百貨店の家賃割合は10.6%か」
鑑定コラム719) 「ピークの半分の売上高減になると百貨店は閉店となる」
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