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723) 回転寿司の元気さ

 政権を取ってくれた働きをした同士・仲間を売ることを平気でやり、行き当たりばったりの思いつき政策を出したり取りやめたりして指導力がさっぱり無く、政策理念が全く見えない民主党の菅内閣の政治の姿に、経済界は殆ど愛想を尽かし、あきれかえっている。

 法人税5%減税するから雇用を確保せよと、経団連に要求するが、経済界はその様なことを約束出来ないとはねつけている。

 リーマンブラザーズの倒産から、日本経済は何とか立ち直りつつある。しかし完全には立ち直っていない。

 日本銀行が、信じがたい金利であるゼロ金利としてどれ程金融をゆるめ、銀行を通じて金を市中に出そうとしても、銀行はその金で国債を買うだけであり、資金の欲しい中小企業にはさっぱりお金が回らない。
 少し日銀の金融政策は何処か間違っているのではなかろうか。

 上場の大企業は、設備投資をすることに躊躇し80兆円という金を内部留保しており、その金を有効に使おうとしない。

 この様な日本経済の状態では、先行きに明るさを見出す事は難しい。
 企業は元気を出して、GDP700兆円を目指せと私は云いたいが。

 沈滞する日本経済の中にあって、元気な企業業種が存在する。

 日本経済新聞出版社が発行している『日経MJトレンド情報源2011』(日本経済新聞出版社 2010年10月22日発行)を見ていたら、売上高増の元気な会社・業種が見られた。

 その内の一つに、回転寿司業の元気さに驚かされた。

 前掲書の2009年、2010年、2011年版より飲食業の中より、回転寿司の上位6社の売上高を調べてみた。  下記の通りである。順位は飲食業の中での売上高順位である。

 (2009年)
  順位     会社名        売上高(百万円)
    23位   カッパ・クリエイト         60,857
               (かっぱ寿司)
    25位   あきんどスシロー         59,096
    35位   くらコーポレーション       48,471
    62位   元気寿司              26,600
    90位   アール・ディージー         18,619
               (がってん寿司)
   109位   ジ・ティスト             14,107
               (平禄寿司)
     計                                  226,951


(2010年)   順位     会社名        売上高(百万円) 対前年比 20位   カッパ・クリエイト  74,736 + 22.8%   (かっぱ寿司) 26位   あきんどスシロー    63,862 + 8.1%  33位   くらコーポレーション  56,470 +17.2% 68位   元気寿司       24,600 94位   アール・ディージー  14,070   (がってん寿司) 119位   ジ・ティスト     14,070   (平禄寿司) 計 252,357

(2011年)   順位     会社名        売上高(百万円) 対前年比 18位   カッパ・クリエイト  83,032 + 11.1%   (かっぱ寿司) 23位   あきんどスシロー    74,472 + 16.6%  25位   くらコーポレーション  64,663 + 14.5% 68位   元気寿司       23,840 94位   アール・ディージー  16,778   (がってん寿司) 104位   ジ・ティスト     16,0310   (平禄寿司) 計 278,817

 上記6社の売上高をまとめると、下記の通りである。()内は対前年比である。

    2009年    226,951百万円   ( -  )
        2010年    252,357            (+11.2%)
        2011年    278,817            (+10.5%)

 上位6社の内、特に上位3社が元気が良い。対前年比で見る。

                              2009年         2010年    2011年
     カッパ・クリエイト         −         +22.8%        +11.1%
     あきんどスシロー           −         +8.1%         +16.6%
     くらコーポレーション       −         +17.2%    +14.5%

 上位3社の売上高は著しい。元気が良い。
 元気の良い数字を見ると、こちらも明るくなる。
 正月に回転寿司を家族でたべに行かれた人もいるであろう。
 食べる寿司も美味しくなる。
 企業はこうでなくちゃいけない。


 少し見方を変える。
 飲食店の水道光熱費は、売上高に対してほぼ一定の割合という経済経験則がある。

 くらコーポレーションの公表されている損益計算書から、その経済経験則を確かめてみる。

 決算期        売上高a 千円         水道光熱費b 千円      割合b/a

21年10月期      64,663,306            1,958,848             0.0303
20年10月期      56,470,430            1,793,877             0.0318
19年10月期      48,471,012            1,432,646             0.0296
18年10月期      40,854,126            1,265,797             0.0310
17年10月期      34,475,337            1,088,051             0.0316
16年10月期      27,956,510              875,110             0.0313
                 平均                                       0.0309
                                                         ≒ 0.031

 水道光熱費は、売上高の0.0296〜0.0318の割合のなかにあり、平均は0.031である。
 売上高が変動しても、水道光熱費の割合は、ほぼ一定である。

 飲食店の水道光熱費の売上高に占める割合が、ほぼ一定であると云う経済経験則は事実であると云える。

 では、これを使って売上高の推定を。

 税務署が、飲食店の申告売上高が誤魔化されていないか、過小申告されていないかどうか見破る手段として、調査飲食店舗の水道光熱費の金額を把握するという噂を聞いたが。

 回転寿司の外にも元気のある業種がある。
 それについても機会があったら記事を書くことにする。


  鑑定コラム1651)「かっぱ寿司食べ放題」

  鑑定コラム1667)「かっぱ寿司食べ放題 大盛況で終わる」


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