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マンションの価格そしてマンション業界の景気状況には、分譲マンション供給戸数とその在庫は無関係ではない。
株式会社不動産経済研究所が発表しているマンションデータのうち、分譲マンション供給戸数と在庫数の関係を検討してみる。首都圏についてのデータによる。
単位は戸である。
年
|
元号
|
供給戸数
|
在庫数
|
2000年
|
平成12年
|
95635
|
8903
|
2001年
|
平成13年
|
89256
|
9571
|
2002年
|
平成14年
|
88516
|
11611
|
2003年
|
平成15年
|
83183
|
9728
|
2004年
|
平成16年
|
85429
|
7900
|
2005年
|
平成17年
|
84148
|
5987
|
2006年
|
平成18年
|
74463
|
8173
|
2007年
|
平成19年
|
61021
|
17763
|
2008年
|
平成20年
|
43733
|
12427
|
2009年
|
平成21年
|
36376
|
7389
|
2010年
|
平成22年
|
44535
|
5600
|
首都圏の分譲マンションの適正在庫数はどれ程であるのかはっきりと断定出来無いが、上記在庫数より推定すると6,000戸程度と推定される。
在庫数が1万戸を越えると危険信号でマンション不況が始まる。1万戸を大きく超えて1.5万戸を超えると、体力の無いマンション業者はバタバタと倒産することになる。
マンション業者は適正在庫を大きく超すと、在庫数を減らすために、在庫マンションの処分を優先的に営業方針を変え、新規分譲マンションの建設、販売は縮小するか、休止することになる。
過去最高の在庫数が発生したのは、2007年(平成19年)の17,763戸である。
平成19年(2007年)は、不動産ファンドバブル絶頂期である。
平成19年7月をピークにして、土地価格は大暴落に転じる。そして急激な金融引き締めにより、不動産不況となり、建設した分譲マンションが売れず、在庫として残ってしまったのである。
平成19年 17,763戸
平成20年 12,427戸
の在庫がマンション業界に重くのしかかる事になる。
平成22年(2010年)の在庫は、5,600戸で、6,000戸を切ったが、内訳を見れば、
平成19年から平成21年の分譲戸数 1,532戸
平成22年分譲戸数 4,068戸
小計 5,600戸
である。
3年経っても27%(1532÷5600≒0.27)の在庫は、平成19年〜21年のものである。
先に適正在庫数を6,000戸と云ったが、在庫の内訳を見ると、過去3年前のものも含んだ在庫が30%近くあることから、首都圏の分譲マンションの適正在庫数は4,000戸と考えてもよいでは無かろうかと思う。
平成19年、20年の大量マンション在庫処分に苦しみ、支えきれなくなったマンション業者の多くが倒産したのが、平成21年と云うことになろう。
鑑定コラム1994)「首都圏新築マンション分譲不振」
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