○鑑定コラム


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819)三井物産の森が二酸化炭素排出権売買に

 4.4万ヘクタールの社有林を持つ三井物産株式会社(飯島彰己社長)が、二酸化炭素排出権の売買市場に排出権クレジットを流通売買させることにしたと、三井物産のホームページに発表した。(2011年5月2日付三井物産ホームページ)

 同ホームページによれば、排出権売買されるものは、環境省が推進するカーボンオフセット制度による温室ガスのオフセット用の排出権クレジットと呼ばれるものである。

 三井物産は、環境省が認証した三井物産の森が産み出す二酸化炭素の吸収量に見合う二酸化炭素排出権を、温室効果ガスの削減を自主的に目指す企業に販売するという。

 環境省が認証した排出権の対象になった三井物産の森の森林は、所有山林4.4万haのうち北海道にある沙流郡平取町の山林(5,778ha)と苫前郡初山別村の山林(1,094ha)の2山林にあるトドマツの人工林約480haが対象山林という。

 排出権クレジットの二酸化炭素の排出権量は、6,601トンという。

 三井物産は、

 「クレジット販売で得た収入を森林整備に再投資することで、持続的な循環可能な林業と森林経営を目指します。」

という。

 山林の産み出す二酸化炭素の吸収量、即ち二酸化炭素排出権を市場で売買出来る制度がやっと出来た。

 そして、企業の金が山林に廻るようになった。
 それによって、山林の荒廃に歯止めがかかり、林業の活性化の道が開かられることになった。
 大変嬉しいことである。

 私は、以前鑑定コラムで、荒廃した日本の山林をよみがえらせるには、農林水産省の今迄の林野行政ではダメで、企業の金を注ぎ込まない限りは、山林の荒廃を食い止めることは出来ないと主張して来た。

 そして日本の企業は、外国であるオーストラリアのユーカリ林の排出権など購入せず、日本の山林の排出権に目を向け、日本の企業の金を日本の山林に注ぎ込めと主張して来た。

 それがやっと実現して来た。

 三井物産の企業行動を称賛したい。


  鑑定コラム53)
「オオタカ保護と山林価格」(2002年8月21日発表)

  鑑定コラム122)「岐阜県の林地価格」(2003年9月10日発表)

  鑑定コラム380)「国内で森林を所有する民間企業ベスト4」(2007年10月8日発表)

  鑑定コラム392)「二酸化炭素排出権の小口証券化を」(2007年12月8日発表)


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