会社更生法によって更生中の大型スーパーストアのマイカルは、子会社やマイカルの店舗の売却、閉鎖を急いでいる。
2003年2月に「辻堂サティ」の閉鎖を、2003年6月には「中条サティ」、「黒部サティ」、「交野サティ」、「泉南サティ」の閉鎖を発表した。(マイカルHPプレスリリース 2002.12.19)
食品スーパーマーケットのマルエツは、マイカル系列の小型スーパーマーケットの「ポロロッカ」を約20億円で買収した。(日経 2001.11.16)
ポロロッカは売場面積500平方メートル以下の小型店舗54店舗を持っていた。
売上高は361.8億円、経常利益は82百万円(2001年3月)である。(マイカルHPプレスリリース 2002.1.17)
マルエツの買収価格約20億円は妥当な価格か否か。
上記の与えられたデータから推測してみる。
年間売上高20億円程度のスーパーマーケットの、売上高対経常利益率は1.9%(標準偏差1.6)である。(『中小企業の経営指標』14年版中小企業庁編 p468 同友館)
マイカルの子会社のポロロッカの経常利益率は、
0.85億円÷361.8億円=0.0023
0.23%である。平均スーパーマーケットの10分の1程度の利益率である。とてもこの利益率を適正水準の利益率と認めることは出来ない。
マルエツの財務諸表をみると、2001年3月期のマルエツの経常利益率は1.4%である。この経常利益率を採用してポロロッカの売上高を修正する。
0.82億円÷0.014=58.5億円
ポロロッカの売上高は361.8億円あるとしても、それはマルエツの経営感覚でみれば、58.5億円の金額でしかない。
総資本を投下資本と考える。
年商20億円程度の、スーパーマーケットの売上高に対する総資本の割合関係を分析してみる。
前記『中小企業の経営指標』によれば、
総資本対経常利益率 6.4%
売上高対経常利益率 1.9%
である。
これは、
経常利益率 6.4 ───── = ──── 総資本 100 経常利益率 1.9 ───── = ──── 売上高 100 である。後者を次のごとく変換する。 売上高 100 ───── = ──── 経常利益率 1.9 上記式から、 経常利益 売上高 売上高 ───── ×──── = ───── 総資本 経常利益 総資本 となる。経常利益率は分子、分母相殺して消える。 上記式に各数値を代入すれば、 売上高 6.4 100 6.4 ─── = ─── ×── = ── =3.36 総資本 100 1.9 1.9 と求められる。ここで総資本を投下資本と見なした。
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