○鑑定コラム
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マンション情報会社の株式会社東京カンテイが、貴重な中古マンション売却価格の値引率等の統計分析結果を発表している。
2011年10月27日付の『中古マンション価格乖離率・売却期間の推移』というレポートである。
中古マンションの売希望価格と成約価格との間の価格差による値引率(東京カンテイは「価格乖離率」と呼んでいる)、そして売却期間のレポートである。
中古マンション仲介業者は、それぞれがデータを持っていて知っているが、それを外部に発表することはなされないために、一般の人には中古マンションは売却を頼んでからどの位の期間で売れるのか、売れなかった場合、どれ程の価格値引きすれば売却にたどり着けるのかは分からなかった。
東京カンテイは、多大な時間と労力、そして費用を掛けて、多くのデータを統計分析して、それらを発表してくれた。
この行為は称賛に値する。
首都圏の中古マンションの平均売却期間は、
2001年 2.5ヶ月
2002年 2.3ヶ月
・
・
・
2008年 3.3ヶ月
2009年 3.0ヶ月
2010年 2.5ヶ月
2011年 2.8ヶ月(1〜8月)
である。
最近およそ11年間で、平均2.65ヶ月(標準偏差0.30)である。
首都圏の中古マンションは、売却依頼から売却成立まで平均2.6ヶ月ということである。
売却依頼して10ヶ月も12ヶ月もかかっていない。
それはそうであろう。
仲介業者にとっては、売却成立してこそ報酬料が得られるのであるから、早く売却成立したい。
のんびりと24ヶ月も時間を掛けて売ろうとすることなど考えない。
給与を支払っている社員の給与を投下資本の一つとすれば、投下資本の回転率を高めることは、商売の当然の行為である。
成約件数
─────── = 売却率
売却総件数
とすると、売却率と売却に要した月数の関係も分析されている。
その分析結果によれば、
1ヶ月以内 47.8%
3ヶ月以内 72.6%
6ヶ月以内 89.3%
である。
上記数値より、分布図が描けそうである。
売却の平均期間は2.6ヶ月であるが、全ての売中古マンションが2.6ヶ月で売却出来ている訳ではない。中には12ヶ月の時間を要しているものもある。
売却期間が長くなるに従い、当初売出し価格を値下げして、成約にこぎ着けることになる。
12ヶ月以内に成約した中古マンションの値下げ率(価格乖離率)と要した月数の間に、面白い傾向が見られる。
値下げ率は、
1ヶ月目 −3.8%
12ヶ月目 −19.5%
である。
1年経って売却出来た中古マンションは、当初売り出し価格よりおよそ20%引きという結果である。
1ヶ月目−3.8%、12ヶ月目−19.5%を所与として考えると、各月の平均値引き率は、
−19.5%−(-3.8%)=−15.7%
−15.7%÷11ヶ月=−1.42%≒−1.5%
1ヶ月経つごとに約1.5%、売り価格は下落するということになる。
このデータ結果を逆読みすれば、当該中古マンションを確実に即時売却したいとするならば、20%引きの価格で値付けすれば、即時に売却できることになる。
なお東京カンテイの同レポートには、首都圏のみで無く、近畿圏、中部圏の同様な統計分析がなされている。
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