○鑑定コラム



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84)栄養補助食品会社の売買価格

 アサヒビールの子会社のアサヒビール薬品が、栄養補助食品会社のポーラフーズ(ポーラの子会社)を買収した。(日経2002.3.27)

 買収価格は約10億円という。
 ポーラフーズの売上高は60億円強で、全国7ヶ所の営業拠点と90人の社員は引き継がれる。
 投下資本に対する売上高倍率は、
    60億円÷10億円=6.0倍
である。
 逆の見方をすれば、売上高に対する購入価格の割合は、
    10億円÷60億円≒0.17
売上高の17%が企業の買収価格である。
  
 工場を含めた営業所を持つ食品会社企業と考えると、買収価格は妥当な価格水準にあるのでは無かろうか。

 アサヒビールは焼酎部門にも進出した。そして栄養補助食品にも事業展開を図ろうとしている。

 アサヒビールの今迄の企業戦略を見ていると、商品提供はかなり社会及び産業の動きの先、先を読んで企業行動してきており、それが見事に成功している。

 ということは、栄養補助食品の分野は、今後かなり成長が期待出来るということを意味すると考える事はアサヒビールを買いかぶりし過ぎか。

 カスピ海ヨーグルトの口込みによる凄まじい普及と歩調を合わせるごとくに、ビールを造ったあとの残りの絞り粕であるビール酵母が、供給が追いつかない程の売れ行きの良さは、何を意味しているのであろうか。

 2年ほど前(2001年)、ひょんな事でビールの種類によっては、ニンニクの臭いを消してくれる酵母菌の生きているビールがあることを知つた。

 妙高高原に不動産鑑定の仕事があった。
 ある企業の健康保険組合が保養所を持っていた。しかしさっぱり社員が利用しないため、所有していることが重荷になり、その保養所を売却処分することを決めた。
 しかし、いくらで売るべきか適正な売却価格が分からず、かつ、会社の社員でもある健康保険組合の組合員に売却価格の適正性を説明するために、不動産鑑定書が必要である。そのために私が妙高高原の保養所の土地建物の鑑定評価することになったのである。

 その不動産鑑定で訪れた妙高高原に、酵母菌の生きている地ビールがあることを知った。
 焼き肉を食べながら、その地ビールを、ものは試しと実際に飲んでみた。
 ニンニクの臭いは確かにかなり薄れていた。翌朝には殆ど臭いは残っていなかった。

 こうしたビールの市場だってある。既存ビール会社が何故この分野に進出しないのか私は不思議でしょうがない。

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