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国債の逆利回り革命が生じている。
平成23年(2011年)12月23日の日本経済新聞は、トップ記事としてタイ・インド・ポルトガルの国債の逆利回りを報じる。
北朝鮮の金正日総書記の死去の記事に多くの紙面を割いている全国新聞の報道方針とは異なり、「経済」の日経は、やはり視点が異なる。
国債の逆利回り革命が生じているとは、私は全く考えてもいなかった。
日経の内外の情報網には敬服する。
国債の逆利回り革命とはどういうことか。
配当利回りと長期金利の関係で、「利回り革命・逆利回り革命」の言葉があることから、それを援用して、私が勝手に名付けたものである。
それが果たして世間に認められるものかどうかは、私は知らない。
門外漢の者が勝手に作るなと、専門家から叱られるかも知れないが。
利回り革命・逆利回り革命とは、要約すれば、
利回り革命・・・・・・配当利回り<長期金利
逆利回り革命・・・・・配当利回り>長期金利
の関係をいうのである。
配当利回りが、長期金利より高くなる現象を逆利回り革命という。
平成10年に日本は逆利回り革命になった。
この経済現象を国債に当てはめれば、
国債の利回り革命・・・・・・短期国債利回り<長期国債利回り
国債の逆利回り革命・・・・・短期国債利回り>長期国債利回り
ということになる。
国債利回りは、長期国債利回りが短期国債利回りより高いのが一般的な考え方である。
長期の場合、不安定要因が短期よりもより多くなることから、リスクを負うことになる。このことから長期の方が利回りが高いという考え方である。
現在の日本の国債利回りを見れば、それがはっきり言える。
日本の国債利回りと期間の関係を見ると、
期間3年 0.03%
期間5年 0.05%
期間10年 0.8%
である。
日本の国債利回りは、
短期国債利回り<長期国債利回り
である。
日本の現在の国債は利回り革命であるといえる。
ところが短期国債利回りの方が、長期国債利回りより高いという現象が、日本以外で現在生じていると日本経済新聞は伝えるのである。
タイの国債は、期間2年の利回りは3%台前半であるのに比し、期間5年の利回りは2%台後半という。
インド国債は、期間2年の利回りは8%台後半、期間10年の利回りは8%前半という。
もう一つ、ポルトガルの国債は、期間2年の利回りは14%台、期間10年の利回りは12%台という。
まとめると、
短期国債 長期国債
タイ 2年債 3%台前半 5年債 2%台後半
インド 2年債 8%台後半 10年債 8%台前半
ポルトガル 2年債 14%台 10年債 12%台
である。
ポルトガルの国債利回りは、14%〜12%という。
現在の日本に住んでいる私には信じがたい高利回りの国債利回りである。
これが、欧州の金融危機を具体的に示すものの一つということであろうか。
短期国債利回りが、長期国債利回りを超えている現象は、国債の逆利回り革命ということになる。
では、何故国債の逆利回り革命が生じるのか。
利回りとその国債価格とは密接な関係がある。
価格が上がれば、利回りは下がり、価格が下がれば利回りは上がる。
短期国債利回りが急上昇したということは、大量の短期国債の売り物が出現したことにより、短期国債の価格が下落し、反動として利回りが上昇したということである。
それが結果として、長期国債の利回りを超えることになった。
では、何故短期国債に売り物が大量に出たのかといえば、これは私の推測であるが、国債という紙切れを持っているよりも、現金を持っている必要性が生じたのであろう。
それも金利の高い長期国債で無く、金利の安い短期国債を売り払って現金化する方が得策という必要性が生じたのである。
必要性とは何かといえば、現金決済の為の手許現金の必要性であろう。
銀行で言えば、貸出の急増或いは急増の予測可能性の存在であろう。
その為に現金を多く手許に用意しておかなければならない。
タイ・インドで生じたことは、タイは洪水による影響か。
インドは新興産業国としてもてはやされたが、欧州の金融危機に伴い、欧州の投資金が引き揚げてしまい、自国金融機関が、その代替と成るためか。
ポルトガルは、欧州金融危機によるカントリーリスクの増大によるものか。
日本にも国債の逆利回り革命が生じるのであろうか。
配当では逆利回り革命が生じた。
鑑定コラム676)「利回り革命と逆利回り革命」
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