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92)「プランタン銀座」の営業権価格

 スーパーストアのダイエーは、2002年6月に有楽町駅に近い銀座にある「プランタン銀座」という女性を対象にした高級百貨店を手放した。(ダイエーHPプレスリリース 2002.5.30)

 買主は読売新聞社であり、売買価格は約40億円という。
 「プランタン銀座」の売上高は、帝国データバンクの調べによれば、

     1999年2月      28,149百万円 
          2001年2月            28,030百万円
          2002年2月            27,500百万円
である。

 「プランタン銀座」を購入した読売新聞社は、「プランタン銀座」の建物の所有者である。即ち、大家が借家権を買い取ったということである。
 住宅の場合は借家権というが、商店の場合は借家権を「営業権」という。
 約40億円の金額は「プランタン銀座」の営業権価格ということになる。
 この営業権の価格の売上高に対する割合は、
      40億円÷275億円=0.145≒0.15
15%である。
 都心一等地の百貨店の営業権の価格は、売上高の15%ということか。

 営業権価格は業種によりけりであるが、「プランタン銀座」のそれは1.7ヶ月分の売上高に相当する。
    40億円÷(275億円÷12ヶ月)=1.745≒1.7
 営業権は売上高の1ヶ月分という経験則がある。全ての業種にそれが当てはまる訳ではないが、その経験則から言えば、上記の1.7ヶ月分は店舗の立地要因を加味して考えれば、当たらず遠からずという金額ではなかろうか。

 「プランタン銀座」の家賃がどれ程であったかは、私は知らない。
 婦人子供服小売店の売上高に対する家賃割合は、6.6%(『Evaluation』創刊号p40 「売上高に対する家賃割合」田原 清文社)である。立地と高級品の取り扱いを考えれば、10%程度の家賃のアップは必要ではないかと思われる。
       6.6%×1.10=7.26%≒7.3%
 「プランタン銀座」の賃料を売上高の7.3%とする。
       275億円×0.073=20億円
 「プランタン銀座」の年間賃料は20億円と推定される。
 「プランタン銀座」の営業権価格は40億円であった。
 賃料に対する営業権価格の割合は、
        40億円÷20億円=2
である。
 賃料の2年分が営業権の価格ということになる。
 24ヶ月分である。

   公共事業の用地補償で、明け渡しのために24ヶ月の家賃を補償するという類の条文があった様な記憶を思い起こす。
 

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