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経済産業省調査統計部が、4年ぶりに、ゴルフ場の実態調査書を発表した。
そのゴルフ場調査報告書名は、『平成13年特定サービス産業実態調査報告書・ゴルフ場編』(社団法人経済産業統計協会(Tel 03-3561-2974)発行 平成15年1月31日)である。
前回ゴルフ場調査は平成9年(1997年)であった。
今迄は3年ごとに調査発表されていたが、今回は1年延びて4年振りとなった。
そのゴルフ場調査報告書は、4年間のゴルフ場経営の凄まじい大変動を、如実に報告している。その一部を紹介する。
日本のゴルフ場数は2067ヶ所で、9年調査より21ヶ所増えているが、売上高、利用者は次の通りである。
ゴルフ場年間売上高 1兆1554億円 (24.5%減)
ゴルフ場年間利用者数 7704万人 (14.1%減)
1ゴルフ場当りの年間売上高は5.6億円、利用者数は37,000人となる。
1ゴルフ場当りで見ると、年間売上高で10億円を超えているのは、東京と神奈川の2つの都県のみである。年間利用者で5万人を超えているのは、東京、神奈川そして沖縄県の三つである。
沖縄の人は随分とゴルフを楽しんでいるようである。
北海道、東北地方の県のゴルフ場は、いずれも3万人以下の利用者である。
ゴルフ場年間売上高とその構成比を見ると次のごとくである。
年間売上高 1,155,408百万円
年間売上高構成比
利用料金 51.2%
キャディフィ 17.2%
名義書換料 3.6%
年会費 5.6%
食堂・売店 14.8%
その他 7.6%
ゴルフ場年間営業費用とその構成比を見ると次の通りとなる。
年間営業費用 1,127,656百万円
給与 41.3%
コース施設管理費 11.4%
賃借料
(土地・建物・機械装置) 8.0%
食堂・売店原価 7.1%
その他 32.2%
ゴルフ場の純収益は、
1,155,408百万円−1,127,656百万円=27,752百万円
である。
売上高に対する利益率は、
27,752百万円÷1,155,408百万円=0.0240
で、2.4%である。
原価率(経費率)は、
1−0.024=0.976
となる。
1ゴルフ場で考えれば、1ゴルフ場当りの純収益は、
27,752百万円÷2067=13.4百万円
ということになる。
ゴルフ場の経営に属する配分利益を10%とすると、ゴルフ場不動産に属する利益は、
13.4百万円×(1-0.1)=12.0百万円
である。
営業費に減価償却費がどれだけ含まれているか分からないが、減価償却費を含めた営業費から求められた純収益に対する還元利回りを6%(減価償却費を経費に含めない、いわゆるキャシュフローの場合の還元利回りは10%以上となろうか)とすれば、
12.0百万円÷0.06=200百万円
で、ゴルフ場の価格は2億円と言うことになる。
1ゴルフ場の価格は、日本ゴルフ場全体の収支から分析すれば2億円である。
昨年(2002年)1年間で100を超えるゴルフ場が、預託金の返還に行き詰まり、民事再生法の申請をおこなった。そしまた、つい最近(2003年2月18日)国内に28コースを持つ日本最大のゴルフ経営会社の日本ゴルフ振興株式会社が倒産し、民事再生法を申請した。
こうしたゴルフ場の状況下での、経済産業省の実態調査であることを考えて、数値を見る必要性がある。
同調査報告書は、各県ごとのデータ、会員制ゴルフ場、パブリック制ゴルフ場のデータ分析等もなされている。政府刊行物販売センターで発売されている。
頒価は4500円+税である。
政府刊行物の宣伝をするつもりは無いが、次回発表まで、今後4年間のゴルフ場の評価等する時の基礎データとなるものであり、必要とする人は購入しておくことをお勧めする。
なおゴルフ場に関する記事の鑑定コラムには次のものがあります。
鑑定コラム 29)「川奈ゴルフ場の価格」
鑑定コラム 62)「ゴルフ場の減損会計」
鑑定コラム 129)「本間ゴルフ場の阿蘇のゴルフ場売却」
鑑定コラム 156)「いつまで続くゴルフ場鑑定のセミナー講師」
鑑定コラム 167)「ゴルフ場の取得価格と予想売上高」
鑑定コラム 174)「ゴルフ場の固定資産税は高すぎる」
鑑定コラム 198)「ゴルフ場の売却が続く大手不動産会社」
鑑定コラム 381)「ゴルフ場が最悪期を脱した」
鑑定コラム 824)「今年2件目のゴルフ場の鑑定評価」
鑑定コラム 914)「ゴルフ場が太陽光発電畑に」
鑑定コラム1681)「「ゴルフ場月別売上高の比率」の鑑定コラム938)にアクセスが増えている」
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