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ボーイング787型機の販売価格は如何ほどか。
2013年1月20日の日本経済新聞は、ボーイング787型機は「受注数約850機の総額約17兆円」と報じる。
17兆円÷850=0.02兆円
1機当り約200億円と言うことになる。
この価格が適正であろうか否か。
飛行機を購入する航空会社は、全額自分の資金で購入することもあろう。
一方、アメリカではリース業が発達していて、航空会社はリース会社より飛行機をリースしている場合がある。
この場合、リース会社は、飛行機の購入投下資本をリース料で回収する訳であるから、妥当な飛行機購入価格、適正なリース料、リース終了時の飛行機の価格を把握しなければならない。
その価格等の評価を誰が行うのか。
飛行機は墜落する場合がある。
航空会社、リース会社のいずれも、その損失リスク負担を避ける為に保険を掛ける。
保険会社は、保険料を決めるためには、機体の適正な価格を把握しなければならない。
再保険会社も、同じ様に適正価格の把握が必要である。
その適正価格を誰が行うのか。
自社で勝手に評価して、これが適正であると主張することは受け入れられないであろう。
中古飛行機を売買する場合がある。
売り主の提示する金額が高いのか、妥当なのか、安いのか、購入する側にとっては分からない。
第3者の客観的な価格評価証明が欲しくなる。
リースすると、その中古飛行機のリース料は?
リース終了後の機体の適正価格は?
中古飛行機に保険を掛ける場合の保険料は?
保険を掛ける場合の適正価格は?
等のことが問題になってくる。
日本に、飛行機の適正価格を評価する人がいるであろうか。
アメリカにはいる。
飛行機の価格評価することを職業にしている人が、アメリカには存在する。
2年前であったろうか。
アメリカの航空機を鑑定評価する人の講義を聞く機会があった。
自らパイロットの免許を持ち、自家用飛行機を操縦しているという評価人であった。
アメリカの評価人は、私などと較べてスケールが違う。
アメリカの航空会社の経営がおかしくなった。
所有する飛行機を処分することになり、その適正価格は如何ほどかと鑑定評価を求められた案件の話であった。
飛行機の価格も経済情勢に影響され、高い時もあれば、著しく安くしないと売買が成立しないこともあるという。
中古旅客機が市場にあふれていた時であったが、物流会社が飛行機による物流を考えていた時であり、旅客機を貨物機に改装することによって飛行機の購入先が見つかったと云っていた。
アメリカの航空ビジネスの一端を垣間見る思いで講義を聞いた。
飛行機の鑑定評価と云っても、3つの価格からのアプローチによって価格が決定される。
積算価格、比準価格、収益価格の3つである。
不動産の価格の求め方と手法は同じである。
最初に記したボーイング787型機200億円と云う価格は、積算価格の種類の価格である。
比準価格、収益価格は?
10年後、果たして日本で飛行機、大型貨物船、タンカーの評価の分野で、信頼出来る鑑定評価人はいるであろうか、或いは育っているであろうか。
企業が、生産会社等のM&Aを行う時には、生産機械・設備装置が必ずついている。
その適正な価格は誰が評価するのか。
飛行機、船、機械装置等の価格評価は、不動産鑑定士の資格と関係無く、その鑑定評価能力があれば誰でも行うことは出来る。
鑑定コラム825)「リース物件の評価市場は大きいょ ?」
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鑑定コラム1002)「ボーイング787型機引渡停止」
鑑定コラム1062)「TPPは不動産鑑定士資格の有名無実化と」
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