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825)リース物件の評価市場は大きいょ ?

 国際資産評価士養成講座の機械・装置評価の4回セミナーの最後である第4回目のセミナー(メソッドM204)が、東京三鷹の国際基督教大学の国際会議場で、同時通訳付で、2011年10月21日、22日、23日、24日に開かれた。

 講師は、第1,2回目(メソッドM201,M202)の時のリチャード・バークメイヤーASA上級鑑定士であった。

 今年4月から開かれていたセミナーも、10月の4回目のM204の段階を経て終わる事になった。

 3日間は、朝9時〜午後5時まで、びっしり講義と演習である。
 電卓を叩いて演習問題を解いた。
 グループで問題の解き方を検討しあった。

 最後の日の4日目は、研修セミナーを締めくくる100問を越える問題の試験である。
 試験時間は、9時〜13時まで4時間である。
 試験内容は、アメリカ本国で行われている内容と全く同じものである。

 マークシート形式であるが、計算問題が多く、かなりのハイレベルの内容の試験であった。4月に勉強したことの多くは、私は忘れていた。思い出すことに悪戦苦闘した。

 この最後の試験に合格すれば、ASAの機械・装置評価の鑑定士の資格が得られる。しかし合格の門は厳しいと聞く。さてどうなることやら。

 疲れた。
 心身ともに疲れた。

 メソッドM204の講義演習は、原料より製品まで一貫した流れ作業で製鉄を作っている製鉄所の機械・装置の評価と、リース物件の残存価値とリース料の求め方であった。

 製鉄所の機械装置のボリュームは大きすぎて、とても私の手に負える物ではない。
 アメリカの機械・装置評価のプロのプロしか出来ない案件と思われた。

 積算価格、比準価格、収益価格を求めて、3つの価格より最適の価格を選択して価格決定するのであるが、収益価格はDCF法の求め方であった。

 DCF法は、まさに事業評価である。
 割引率は、CAPMで株式コストを求め、短期負債、長期負債、株式の割合よりWACCで割引率を求める。

 講師は、飛行機の評価を得意とする。その話も多かった。
 船舶、飛行機、製鉄所、工場プラント等、機械・装置の評価では、アメリカの評価理論、評価歴史が積み上げて得たノウハウ、データの豊富さには圧倒されて、アメリカのレベルの高さにはとても太刀打ち出来ない。

 日本の機械・装置評価の分野も、これから育って行くであろうが、現在のアメリカのレベルに到達するには、どれ程の時間がかかるのであろうか。
 20年か、30年か。

 講師が言うのには、アメリカの評価の1/3はリース物件という。
 リース物件の評価でアメリカの機械・装置鑑定士は飯を食べていると云ってもよいようだ。

 アメリカの税法、会計基準は、日本のそれとは違うということはあるかも知れないが、日本にもリースは広く行われている。

 アメリカで普及し、その物件評価が多いということは、日本でも需要を掘り起こせば、需要はかなりあるのではなかろうかと私は思う。

 公共事業関係の不動産鑑定評価の仕事が大幅に減って、不動産鑑定の先行きの先ぼそりを嘆いていても仕方なかろう。
 需要が潜在していると思われるリース物件の評価市場を、それぞれが自ら開拓すれば、鑑定評価の未来が開けてくるのではなかろうか。

 リース物件の演習の一部を下記に記す。
 リース物件の初歩のレベルの演習問題であるようだ。

 (演習問題)

 設備は新品で、価格は1,500,000円であった。
 設備の経済耐用年数は15年である。
 リース期間は5年である。
 レートは6%である。
 リース終了時点の残存価値及び月額リース料を求めよ。


  鑑定コラム727)
「ASA(米国鑑定士協会)の機械・設備評価の講座の開催について」

  鑑定コラム760)「ASA(米国鑑定士協会)機械・設備装置の国際資格研修」

  鑑定コラム780)「イエロー・アイロン?」

  鑑定コラム802)「WACC、CAPM、β」

  鑑定コラム1003)「飛行機の価格評価は誰が行うのか」

  鑑定コラム1062)「TPPは不動産鑑定士資格の有名無実化と」


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