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1047)コメダ珈琲店430億円の売買価格は高いのではないか

 東京の西の郊外に稲城市という市がある。
 多摩川の右岸にある。
 府中市は左岸にあることから、稲城市は多摩川を挟んで府中市と対峙している。

 丘陵地を削って造られた住宅地は、多摩ニュータウンの東端部を形成する。
 市内の東端は、川崎市のよみうりランドに隣接する。

 ゴルフファンにとっては、東京よみうりカントリークラブ、よみうりゴルフ倶楽部のある市といった方が分かり易いかもしれない。

 稲城市には、上記2つのゴルフ場のほかに多摩カントリークラブがある。

 このほかにもう一つゴルフ場がある。
 日本人はプレー出来ない米軍多摩ゴルフ場がある。

 現在は使用していない旧米軍多摩弾薬庫の上をゴルフ場にして利用している様である。
 時々アメリカ人の人々がゴルフを楽しんでいる姿を見かける。

 その稲城市の府中に近い向陽台という多摩ニュータウンの一角を形成する住宅地に、コメダ珈琲店稲城店がある。

 同店が開店した時、こんな丘陵地の高台住宅地に店を開いて商売出来るのであろうかと思った。

 喫茶店は、駅前かあるいは商店街の中の人通りのあるところで無いと営業は無理では無いのかと思っていたため。

 稲城等の方向に仕事で行った時は、広い駐車場があり、店内がゆったりして天井が高く、静かであるため、時々利用している。

 コメダ珈琲店は、名古屋地区を中心にして店舗展開し、東京周辺にも進出して来た。
 日本全国で483店舗を展開するという。

 稲城市の店も全国展開の中で出来た店の一つである。

 そのコメダ珈琲店が、430億円という金額で企業売買されたと、日本経済新聞(2013年1月15日夕刊)が報じる。

 同紙によれば、コメダ珈琲店の売上高等は、下記の通りである。
 2012年2月期の数値である。

     売上高    90億円
     営業利益   22億円
          店舗数    483店舗(2012年12月末)

 店舗数は、2012年12月末で483店舗である。
 2012年2月の店舗数は不明であるが、年間平均20店舗程度増加していることから、上記店舗数から20を差し引いた463店舗とする。

 1店舗当りの売上高は、

        9,000,000,000円
             ───────── ≒ 1940万円                        
                   463

1940万円である。

 営業利益率は、

       22億円
            ────   = 0.244                                    
       90億円
 
24.4%である。

 甚だ利益率は高い。

 営業利益22億円の会社を、430億円で購入するというのであるから、投下資本利益率は、

        22億円
             ─────≒ 0.051                                    
        430億円
 
5.1%である。

 投下資本の回収期間は、

        1/0.051=19.6≒20

20年である。

 飲食店舗での投下資本回収年が20年ということは、信じがたい長期間である。

 7年での回収が普通と私は思っているが。

 7年回収とすると、

     22億円×7=154億円

投下資本は154億円と云うことになる。

 ということは、430億円という売買価格は、甚だ高いということになる。

 甚だ高い売買価格であるから、日本経済新聞はニュースとして報じるのか?


  鑑定コラム1590)
「岐阜市民の喫茶代支出は全国2位」


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