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1414)東京都中央卸売市場は53億円の赤字

 東京都には東京都中央卸売市場として、築地市場等11の食品卸売市場がある。

 東京都はその11卸売市場の大家であり、食品卸売業者に賃貸し、卸売市場を運営している。

 その東京都中央卸売市場は、儲かっているのか。

 東京都中央卸売市場の損益を見てみる。

 ネットに公表されている損益計算書は、平成21年度しかないことから、それによる。下記である。単位千円

 (営業収支)  
      営業収入     22,266,000千円
           営業支出          19,622,000
            営業利益           2,644,000

(資本収支) ▲7,970,000
(差引損益) ▲5,326,000

 営業収支は26.44億円の黒字であるが、資本収支は建設改良費や企業償還金等により79.7億円の赤字である。

 差引53.26億円の赤字である。

 その営業収入222億6600万円の内訳は、下記である。

      施設使用料     8,548,920千円
            売上高割使用料      3,279,080
            雑収益              3,688,855
            営業外収益          3,484,023
            特別利益            3,265,122
              計               22,266,000

 施設使用料とは、賃料を云う。一次卸売業者、二次卸売業者にu当り505円〜1,991円で貸している定額賃料収入である。

 売上高割使用料とは、賃料であるが、売上高が一定水準を超した場合、売上高に応じて割増される賃料収入である。

 定額賃料に対する割増賃料の比は、

                  3,279,080
              ───────  = 0.384                             
                  8,548,920

38.4%である。いささか多すぎる賃料割合と思われる。

 賃料収入は、約85.4億円である。

 11卸売市場の建物延床面積は、1,038,683uである。

 建物延べ床面積u当り賃料は、

                 8,548,920,000円
              ───────── = 8,230円                        
                  1,038,683u

である。

 これは年額である。月額賃料に変換すると、

                 8,230
             ─────   ≒ 686円                                 
                  12

u当り686円である。

 これは通路、トイレ等の共用部分も含めた賃料である。

 通路、トイレ等の共用部分の面積がどれ程の割合を占めるのか、正確には私は分からないが、35%とすれば、

       686÷(1−0.35)  =1,055

賃貸面積当りの賃料は、u当り1,055円になる。

 坪当りでは、

             1,055円×3.30578 = 3,542円

3,542円である。

 東京都中央卸売市場の決算は、53.26億円の赤字である。

 この赤字をどう黒字に転換していくか。

 収入の大部は賃貸収入である。

 とすると、賃料を上げて赤字を減らして行く方策がすぐ考えられるが、それには賃借人からのかなりの抵抗があるであろう。

 他の方策は。


  鑑定コラム1410)
「都の卸売市場の家賃はいくらか」

  鑑定コラム1415)「築地市場の売上高は芳しくない」

  鑑定コラム1416)「東京都中央卸売市場の売上高は1兆2110億円(平成26年)」

  鑑定コラム1419)「魚・野菜・肉卸店舗の家賃割合」


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