○鑑定コラム
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東京都には東京都中央卸売市場として、築地市場等11の食品卸売市場がある。
東京都はその11卸売市場の大家であり、食品卸売業者に賃貸し、卸売市場を運営している。
その東京都中央卸売市場は、儲かっているのか。
東京都中央卸売市場の損益を見てみる。
ネットに公表されている損益計算書は、平成21年度しかないことから、それによる。下記である。単位千円
(営業収支)
営業収入 22,266,000千円
営業支出 19,622,000
営業利益 2,644,000
(資本収支)
▲7,970,000
(差引損益)
▲5,326,000
営業収支は26.44億円の黒字であるが、資本収支は建設改良費や企業償還金等により79.7億円の赤字である。
差引53.26億円の赤字である。
その営業収入222億6600万円の内訳は、下記である。
施設使用料 8,548,920千円
売上高割使用料 3,279,080
雑収益 3,688,855
営業外収益 3,484,023
特別利益 3,265,122
計 22,266,000
施設使用料とは、賃料を云う。一次卸売業者、二次卸売業者にu当り505円〜1,991円で貸している定額賃料収入である。
売上高割使用料とは、賃料であるが、売上高が一定水準を超した場合、売上高に応じて割増される賃料収入である。
定額賃料に対する割増賃料の比は、
3,279,080
─────── = 0.384
8,548,920
38.4%である。いささか多すぎる賃料割合と思われる。
賃料収入は、約85.4億円である。
11卸売市場の建物延床面積は、1,038,683uである。
建物延べ床面積u当り賃料は、
8,548,920,000円
───────── = 8,230円
1,038,683u
である。
これは年額である。月額賃料に変換すると、
8,230
───── ≒ 686円
12
u当り686円である。
これは通路、トイレ等の共用部分も含めた賃料である。
通路、トイレ等の共用部分の面積がどれ程の割合を占めるのか、正確には私は分からないが、35%とすれば、
686÷(1−0.35) =1,055
賃貸面積当りの賃料は、u当り1,055円になる。
坪当りでは、
1,055円×3.30578 = 3,542円
3,542円である。
東京都中央卸売市場の決算は、53.26億円の赤字である。
この赤字をどう黒字に転換していくか。
収入の大部は賃貸収入である。
とすると、賃料を上げて赤字を減らして行く方策がすぐ考えられるが、それには賃借人からのかなりの抵抗があるであろう。
他の方策は。
鑑定コラム1410)「都の卸売市場の家賃はいくらか」
鑑定コラム1415)「築地市場の売上高は芳しくない」
鑑定コラム1416)「東京都中央卸売市場の売上高は1兆2110億円(平成26年)」
鑑定コラム1419)「魚・野菜・肉卸店舗の家賃割合」
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