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景気がよいのか、悪いのか。
黒田日銀が、マイナス金利になることもお構いなしに、湯水のごとくお金を垂れ流し、株式市場の株価は2万円を切って、1.7万円付近まで下がって高低を繰り返しているが、8,000円の頃から見れば、好景気と云える。
しかし、黒字決算を50日前まで広言していた日本の総合商社の代表である三菱商事、三井物産が、2016年3月期は赤字になると緊急発表した。
三井物産の2016年3月23日付の「減損損失の発生及び通期決算業績予想の修正に関するお知らせ」のプレスリリースによれば、修正の理由と金額は下記である。
@ チリ銅事業における減損損失 ▲1,150億円
A 豪州LNG事業における減損損失 ▲400億円
B ブラジル資源事業会社の損失取り込み ▲350億円
上記損失の発生により、2016年3月期は▲700億円の赤字が発生するとして、2016年2月4日の1900億円黒字の発表を修正するとリリースした。
三菱商事は、2016年3月24日付の「通期連結業績予想の修正及び減損損失の発生に関するお知らせ」をプレスリリースした。
子会社が、20.4%(取得価格45.1億米ドル)出資しているチリ国の会社の減損損失である。
その発表によれば、銅市況の低迷により、子会社が出資しているチリの銅事業を行っているアングロアメリカンスール社への投資の金額の回収が困難となり、▲2,800億円の減損損失が発生し、2016年3月期は▲1,500億円の赤字になる。昨年2015年11月5日に、2016年3月期は3,000億円の黒字と発表したが、それを▲1,500億円に変更すると云うリリースである。
物産、商事とも資源事業の損失によって、黒字の予想決算が赤字決算になるというものである。
赤字決算になるのは、両者とも財閥解体後の創立以来初めてのことである。
三菱商事、三井物産の赤字転落のプレスリリースによって、株価は下落した。
2016年3月24日の終値と下落巾は下記である。
三菱商事 1,928.0円 ▲ 81.5円
三井物産 1,299.5円 ▲ 105.5円
日本経済新聞の2016年3月24日の日経QUICKニュース「国内株概況」によれば、24日の株式市場は、「今期が最終赤字になる見込みとなった三井物など商社株が大幅に下げたことも買い手控えムードを強めた。」、「資源関連株などが下落した。」と伝える。
3月24日の日経平均株価の下落は、主として、物産、商事の赤字決算のニュースによるものであると判断される。
日経平均株価は、16,892.23円で終わり、▲108.65円の下落である。
下落割合は、▲0.64%である。
三菱商事、三井物産の資源事業による赤字転落のニュースの日経平均株価影響率は、▲0.64%であったと判断出来る。
日銀の超超金融緩和政策であるのにもかかわらず、三菱商事、三井物産ですら、創立以来初めての赤字決算が2016年3月期には発生するのである。
一体、日本の景気は、良いのか、悪いのか。
鑑定コラム1411)「シャープはどこへ行く 本社ビル、田辺ビルを売って」
鑑定コラム2520)「日銀長期金利をやっと上げる」
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