日本銀行が、2022年12月20日より10年物国債金利の変動巾を従来の0.25%から0.5%に変更した。0.25%の上昇である。
2022年12月21日の日本経済新聞朝刊は、大見出しで「日銀異次元緩和を転換」 とし、中見出しは「10年目で実質利上げ」、小見出しでは「長期金利上限0.5%に」 と一面トップで伝える。
マイナス金利という金利政策まで導入して金融の超超緩和政策を2013年から行っていたが、ついに長期金利の低下は止まり、上昇に踏み切った。
黒田東彦総裁が辞める4ヶ月前の日銀の大政策転換である。
平成バブル崩壊後数年して、日銀マン自らが平成バブル政策は失敗であったという論文を発表したが、それと同じく、今回の黒田日銀の金融超超緩和政策は失敗であったと、数年後に日銀マン自らが間違いであったという論文を発表するであろう。
ロシアのウクライナ侵攻に伴うエネルギー価格の上昇によって、欧米でインフレが生じ、金利が上昇した。
日本の長期金利が著しく低い為に、日本円売りが起こり、日本円の米ドルに対する価格下落が発生し、1ドル120円程度であったのが、1ドル151円にまでなり、輸入品の高騰が発生し、消費者物価の上昇を引きおこした。
10年前、2%の物価上昇を目標にして金融の超超緩和をして達成しょうとしたが、一向に2パーセントのインフレにならなく、10年の期間が過ぎた。
そして、ロシアのウクライナ侵攻が始まると、2ヶ月も経たない内に、あっと云う間に消費者物価指数は3%の上昇となる。
黒田日銀の金融超超緩和政策は失敗であったことが明白となった。
私も、随分前から、黒田日銀の金融超超緩和政策は止めよと云っていた。そして、政策失敗の黒田氏は日銀総裁を辞めよと云っていた。
土地価格と株価の上昇を引き起こすだけで、国内総生産の伸びにはつながっていないから止めよと云っていた。
やっと日銀は長期国債の金利を0.25%から0.5%にすると決定した。0.5%でもまだ安すぎる金利水準である。私は3%の金利であっても良いと思う。
世界の10年物国債の金利はどれほどか。それを知っておくのも良いであろう。
それを知れば、如何に日本の金融政策が特殊で、おかしな政策で、間違っていたことがはっきりと分かろう。
日本は、黒田日銀総裁が2022年12月20日より10年物国債の金利を上限0.5%とすると云ったが、それは実質0.5%の金利と同じである。
その決定に金融市場はすぐ反応し、翌日の21日には0.475%の金利となる。
世界の10年物国債の金利は、日経225のホームページによるものであり、2022年12月21日 東京23:09、ロンドン14:09、ニューヨーク09:09時点のものである。単位%。
日本 0.475 米国 3.627 ニュージランド 4.373 オーストラリア 3.697 韓国 3.567 台湾 1.235 中国 2.903 香港 3.348 フイリッピン 7.011 タイ 2.440 シンガポール 2.917 インドネシア 7.025 インド 7.287 イギリス 3.598 ドイツ 2.282 フランス 2.812 スイス 1.434 イタリア 4.391 スペイン 3.361 ロシア 10.365 トルコ 10.085 南アフリカ 10.210 カナダ 2.989 ブラジル 13.126 メキシコ 9.177