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1482)「桃の木よ 俺を覚えていないか」と囁く正平

 NHK-BSの火野正平の自転車による「こころ旅 2016年春編」が、2016年3月29日より東京の八丈島から始まった。

 東京、神奈川、山梨、長野、新潟を経て、日本海を北上し、北海道に行く自転車の旅である。

 2016年4月21日(519日目)のこころ旅は、山梨県山梨市の「笛吹川沿いから見た桃の花のピンクのジュータン」の景色を求めての旅であった。

 2013年7月25日(247日目)に放映されたこころ旅は、山梨県の旧塩山市(現甲州市)の町に買い物に出かけ、山の上にある自宅に帰る急坂がきつく、必ず坂の途中にある木の休み台に座り休憩した。
 そこから見た旧塩山市の景色が忘れられないというものであった。

 その急坂にある木のベンチを尋ねてのこころ旅の途中に、正平が暑さを避けて休憩し、桃農家の畑で、桃作りの老人から手ほどきを受け、熟した桃取りをした。老人の横には若い娘さんがいた。

 2016年4月21日のこころ旅の手紙の差出人は、3年前の桃取りで遭遇した老人の傍にいた娘さんから、笛吹川沿から満開の桃の花を見て下さいという手紙であった。

 正平に桃とりを勧め、取り方を教えた老人(手紙の差出人である娘さんの父)は、その後、癌が原因で他界したが、放映された映像に父が映っており、桃作りで一生を終え、父が愛した満開の桃の花を正平に見て欲しいという父を思う娘さんの願いであった。

 笛吹川沿いの桃畑は、ピンクのいわゆる桃色の花で満開であった。

 正平は、3年前に途中休憩した桃畑を捜した。

 桃畑はあった。作業小屋もあった。

 しかし、作業小屋は手入れがされていず、何も無くがらんどうで荒れていた。

 3年前に桃をもぎ取った木を捜した。

 ピンクの花を付けて、桃の木はあった。

 通りかかった桃農家の人に、消息を聞くと、正平に桃とりを勧めた老人は亡くなっており、葬儀の時に正平との邂逅の映像が流されたという。娘さんは嫁いだと云う。

 正平は、3年前に桃とりをした桃の木に向かい、

 「桃の木よ 俺を覚えていないか。」

と囁く。

 そして、その桃の木の根もとで、こころの風景の手紙を読む。娘から天国にいる父へのメッセージである。

 桃作りで一生を終えた老人に、最高の供養を行った。

 こころ暖まる映像であった。

 この日のこころ旅を見た視聴者からの反響が、NHKの下記のこころ旅ブログに載せられている。涙、涙・・・のコメントである。
 
    
http://www.nhk.or.jp/kokorotabi-blog/100/242835.html#comment


 2013年の夏のこころ旅の当日(247日目)のこころ旅ブログは、下記である。

     http://www.nhk.or.jp/kokorotabi-blog/100/162743.html


 こころ旅519日目のNHK映像部スタッフが撮った桃の花のピンクの絨毯の写真は、下記です。

     http://www.nhk.or.jp/kokorotabi/route_2016spring/20160421/img/list.jpg


  鑑定コラム820)「火野正平自転車のこころ旅」
 

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