1 はじめに
階層別効用とは、建物の階層による価格あるいは賃料の違いのことをいう。
1階と7階とでは、店舗もしくは事務所ビルの場合には、1階の賃料の方が高く、7階の賃料は安い。
マンションの場合は1階のマンションよりか、7階のマンションの方が価格・賃料とも高いのが一般的である。何故その様な現象が生ずるのかといえば、用途、利便性、眺望、好み等が違うためである。これら要因による価格、賃料差を階層による効用という言葉で表現している。
賃貸事例からどの様にして階層別効用比を求めるか。
市川・千葉の賃貸事例を使用して、その求め方を説明する。
使用する賃貸事例は募集中の事務所ビルの賃貸事例を使用する。
2 千葉市等の事務所賃料
市川市、千葉市内で、2015年12月時において、同一ビルで複数階の入居者を募集している次の9件のビルの事例があった。
所在地 | 階 | 賃料坪当り円 | |
@ | 市川市真間1丁目 | 1階 | 13900 |
3階 | 7000 | ||
A | 市川市南八幡5丁目 | 4階 | 14100 |
8階 | 14000 | ||
B | 千葉市中央区弁天1丁目 | 1階 | 10800 |
2階 | 8700 | ||
C | 千葉市中央区栄町 | 1階 | 8700 |
3階 | 6400 | ||
D | 千葉市中央区新田町 | 2階 | 8700 |
3階 | 8700 | ||
5階 | 8700 | ||
E | 千葉市中央区新宿2丁目 | 3階 | 6500 |
7階 | 6500 | ||
F | 千葉市中央区中央4丁目 | 2階 | 6700 |
3階 | 6700 | ||
G | 千葉市中央区中央3丁目 | 1階 | 13600 |
2階 | 8500 | ||
H | 千葉市中央区中央3丁目 | 3階 | 7600 |
5階 | 7600 | ||
8階 | 7600 | ||
10階 | 7600 |
gB 1F 10,800円 2F 8,700円
gG 1F 13,600円 2F 8,500円
gB 1F 100 2F 80.6
gG 1F 100 2F 62.5
1F 100 2F 71.55 ≒ 72
gD 2F 8,700円 3F 8,700円
gF 2F 6,700円 3F 6,700円
gD 2F 100 3F 100
gF 2F 100 3F 100
平均 2F 100 3F 100
g@ 1F 13,900円 (評点 100) 3F 7,000円 (評点 50.4)
gC 1F 8,700円 (評点 100) 3F 6,400円 (評点 73.6)
gDより 72 gFより 72 g@より 50.4 gCより 73.6 ───────────── 平均 67
gD 3F 8,700円 (評点 100) 5F 8,700円 (評点 100)
gE 3F 6,500円 (評点 100) 7F 6,500円 (評点 100)
gH 3F 7,600円 (評点 100) 5F 7,600円 ( 〃 ) 8F 7,600円 ( 〃 ) 10F 7,600円 ( 〃 )
1階 100 2階 72 3階 67 4〜10階 67