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丸の内のビル賃料は、昨年の平成27年3月は前年同月から5.4%の上昇であった。今年の平成28年3月は、どれ程の変動となったか。分析してみた。
三菱地所が発表した2016年(平成28年)3月期の決算書の附属説明書(FACT BOOK ファクトブック)によれば、三菱村と呼ばれる東京丸の内地区の平成28年3月期のビル賃料は、次のごとくの数値である。
延床面積 2,531千u
貸付有効面積 1,466千u
事務所空室率 1.37%
ビル賃貸売上高 202,337百万円
三菱地所の丸の内地区のビル賃料の年間収入は、2023億円である。去年の平成27年3月の賃料収入は、2027億円であったから、殆ど賃料収入は変わっていない。
上記発表の数値より、下記算式で、賃料単価を求める。
ビル賃貸売上高÷12
────────────────
貸付有効面積×(1−空室率)
2016年3月期の前記した数値を、上記式に代入して求めると、
202,337,000,000÷12
───────────────
1,466,000×(1−0.0137)
= 11,661円/u
である。
1年前の2015年3月の賃料は、u当り10,956円であった。
1年間の賃料の変動率は、
11,661円
────── = 1.064
10,956円
6.4%の上昇であった。
求められた2016年3月の賃料は、近年の最高賃料であった2011年(平成23年)のu当り11,738円に近づこうとしている。
一方、丸の内地区の空室率も1.37%と引き締まった。
過去の丸の内地区のビル賃料は、下記である。
2002年3月 u当り 10,447円
2003年3月 u当り 10,570円
2004年3月 u当り 9,979円
2005年3月 u当り 8,968円
2006年3月 u当り 9,502円
2007年3月 u当り 9,845円
2008年3月 u当り 9,791円
2009年3月 u当り 10,283円
2010年3月 u当り 10,542円
2011年3月 u当り 11,738円
2012年3月 u当り 10,467円
2013年3月 u当り 10,331円
2014年3月 u当り 10,398円
2015年3月 u当り 10,956円
2016年3月 u当り 11,661円
28年3月の丸の内のビル賃料がわかった。
昨年の27年3月の丸ビルの償却前還元利回りは、2.55%と分析した。
上記で求められた賃料を利用して、丸ビルの賃料を推定し、丸ビルの土地価格、建物価格を求めて、28年3月の丸ビルの還元利回りは、どれ程になっているか時間が出来たら求めて見ようと思う。
****追記 2016年8月4日
平成28年3月の丸ビルの還元利回りについては、2.51%と求めた記事を、鑑定コラム1523)にアップしました。
鑑定コラム1364)「丸の内のビル賃料5.4%の上昇(27年3月)」
鑑定コラム1106)「丸の内のビル賃料は土地価格と4年のタイムラグ」
鑑定コラム1523)「丸ビルの還元利回りは2.51%(28年3月)」
鑑定コラム1644)「丸ビルの償却後還元利回りが2%割れしそうだ」
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