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三菱地所が2015年(平成27年)3月期の決算を発表した。
その決算書の附属説明書(FACT BOOK ファクトブック)によれば、三菱村と呼ばれる東京丸の内地区の平成27年3月期のビル賃料は、次のごとくの数値である。
延床面積 2,583千u
貸付有効面積 1,571千u
事務所空室率 1.82%
ビル賃貸売上高 202,784百万円
三菱地所の丸の内地区のビル賃料の年間収入は、2027億円である。
上記発表の数値より、下記算式で、賃料単価を求める。
ビル賃貸売上高÷12
────────────────
貸付有効面積×(1−空室率)
2015年3月期の前記した数値を、上記式に代入して求めると、
202,784,000,000÷12
───────────────
1,571,000×(1−0.0182)
= 10,956円/u
である。
1年前の2014年3月の賃料は、u当り10,398円であった。
1年間の賃料の変動率は、
10,956円
────── = 1.054
10,398円
5.4%の上昇であった。
アベノミックスによって金融の超超緩和がなされ、リート業者が、リート物件の賃料の上昇を見越して都心商業地の賃貸ビル物件を買い漁り、商業地の地価上昇を引き起こしているが、丸の内地区のビル賃料はこれらに動意を示さず、ビル賃料の値上がりは、ここ2年無かった。
しかし、やっと丸の内地区のビル賃料に、値上がりの波が届いてきた。
1年間で5.4%のビル賃料の上昇は大きい。
丸の内地区の空室率も1.82%と引き締まり、近年の最高賃料であった2011年(平成23年)のu当り11,738円に近づこうとしている。
過去の丸の内地区のビル賃料は、下記である。
2002年3月 u当り 10,447円
2003年3月 u当り 10,570円
2004年3月 u当り 9,979円
2005年3月 u当り 8,968円
2006年3月 u当り 9,502円
2007年3月 u当り 9,845円
2008年3月 u当り 9,791円
2009年3月 u当り 10,283円
2010年3月 u当り 10,542円
2011年3月 u当り 11,738円
2012年3月 u当り 10,467円
2013年3月 u当り 10,331円
2014年3月 u当り 10,398円
2015年3月 u当り 10,956円
鑑定コラム1218)「丸の内のビル賃料は底を脱したか」
鑑定コラム1106)「丸の内のビル賃料は土地価格と4年のタイムラグ」
鑑定コラム1380)「丸ビルの賃料の推測」
鑑定コラム1392)「丸ビルの賃料、還元利回りの分析を終えて」
鑑定コラム1522)「丸の内のビル賃料6.4%の上昇(28年3月)」
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