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観光庁が発表する客室稼働率は、『宿泊旅行統計調査』の統計表の第8表に掲載される。
その客室稼働率は、宿泊施設の従業員の人数によって区分される4区分の全体の客室稼働率である。
従業員人数による4区分とは、下記である。
0〜9人
10〜29人
30〜99人
100人以上
観光庁は、以前は従業員10人以上の宿泊施設の客室稼働率を発表していた。
それが、最近は0〜9人の従業員の宿泊施設も含めた客室稼働率の発表に変わった。
それは、それで良い。
ならば、その状態の客室稼働率で推し進めて欲しい。
平成26年1月〜12月の第8表の数値は、てっきりそうした状態の数値と思っていた。
第8表の数値の年系列を見ていたら、平成26年の客室稼働率の数値に違和感を感じた。
それは下記である。東京の4区分の客室稼働率である。
平成27年 82.6%
平成26年 78.8%
平成25年 81.1%
平成24年 76.4%
平成23% 68.0%
平成26年の客室稼働率が、平成25年よりも減じている。
平成26年は、平成24年頃から始まった外国人の訪日客の増加で、ホテル需要が増えてきた年のはずである。客室稼働率が下落するのであろうか。
数値の見間違いかと思い従業員の区分を見直すと、他の年のデータは、全て0〜9人が最初になっているのに、平成26年は、10〜29人が最初のデータ分析となっている。
0〜9人のデータがハズされた分析結果と判断した。
しかし、他の年の分析は0〜9人を含んだ分析であるから、平成26年もそうでなければ、統計の一貫性はないであろう。
客室稼働率を見る場合、0〜9人をハズした10人以上の数値の方が、数値のブレが少なく信頼性がある。従業員10以上の客室稼働率は、同統計表の参考第9表に記載されている。
それ故、参考第9表の従業員10人以上の客室稼働率の数値のデータを見ていたところ、おかしな現象が生じた。
参考第9表の平成26年の従業員10人以上の客室稼働率が、第8表の数値と異なっている。
下記である。東京の客室稼働率である。
平成27年 85.3%
平成26年 82.9%
平成25年 82.7%
平成24年 79.2%
平成23年 70.6%
平成22年 80.5%
先の第8表の従業員0〜9人以上の客室稼働率の所に、従業員10人以上の客室稼働率が記載され、それは78.8%であった。
ならば参考第9表の数値は、従業員10人以上の客室稼働率の分析であるから、78.8%の数値で無ければならないのに、82.9%の数値である。
この違いは何なのか。
どちらの数値が正しいのか。
上記従業員10人以上のデータで、平成22年が80.5%、平成23年が70.6%となり、平成23年の客室稼働率が落ち込んだのは、平成23年3月11日に発生した東日本大震災による影響によるものである。
東日本大震災によって東京のホテルは影響を被ったのかと思われる人は、鑑定コラム864)「2011年の東京の主要ホテルの客室稼働率」を読めばわかる。
東京の主要ホテルの客室稼働率は、下記である。
2011年01月 70.7%
2011年02月 82.6%
2011年03月 49.8%
2011年04月 40.5%
東京従業員0〜9人以上の平成26年の客室稼働率78.8%の割合が、さっぱり判らない。前年の平成25年の81.1%からどういう理由で下がったのか。東日大震災のごとくの大事件があったのか。
鑑定コラム1344)「平成26年の県別類型別宿泊施設の客室稼働率」
鑑定コラム1527)「平成27年都道府県別客室稼働率(従業員10人以上)」
鑑定コラム864)「2011年の東京の主要ホテルの客室稼働率」
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