1532)阪神タイガースの応援団ょ、ゲームを静かに観させてくれ
不動産鑑定士の団体の一つである一般社団法人神奈川県不動産鑑定士協会は、横浜のJR関内駅と横浜市営地下鉄日本大通り駅の中間辺りにある。近くに横浜球場がある。
2016年8月下旬は、今迄来なかったのが嘘のごとく、台風が日本を襲う。
北海道は、3つの台風が襲い、石狩川が氾濫し、床上浸水の家屋もある。そして収穫期直近の農作物に多大な影響が出た。
2016年8月24日の遅い午後、その北海道に被害をもたらした3つのうちの最後の台風が関東を去ったあと、横浜の神奈川県不動産鑑定士協会に不動産鑑定の資料の閲覧で訪れた。
小雨の雨も上がり、曇り空から少し太陽が出ていた。
神奈川県不動産鑑定士協会での資料閲覧も終わり、雨が上がりそうなので、近くの横浜球場に向かった。
折角横浜まで来たことから、プロ野球のゲームがあれば、雨の中の観戦はいやだが、晴れてきたことから見て行こうと思い、スタジアムに向かったのである。
スタジアムに近づくと、人が並んでいるのが見えた。今日は試合があると判った。
縦縞の黄色いシャツを来ている人が多くたむろしていることから、タイガース戦と判った。
「よし、見て行こう。」
と決断し、当日券の発売の列に並んだ。
30分程度待たされたが、内野指定席を買うことが出来た。
私は、横浜ベイスターズのファンでもない。阪神タイガースのファンでもない。
横浜ベイスターズの4番打者である筒香嘉智(つつごうよしとも)のホームランを見たくて、スタジアムを訪れたのである。
筒香は左バッターであるから、ホームランスイングを見るには、三塁側の内野席がよいと思い席をとった。
左打者の筒香のスイングが良く見える席であった。
筒香は、現在36本のホームランを打って、セ・リーグのホームラン打者トップにいる。
日本のプロ野球では、三塁側ダグアウトはビジターチーム(訪問チーム)のベンチと決まっている。ビジターチームを応援する人は、そうした事もあって、三塁側に集まりがちである。とはいえ三塁側の観客席がビジターチームファンで全て埋まるわけでもない。多いか少ないかだけの違いである。
ビジターチームのベンチのある側であるが、三塁側内野席には阪神の応援はそういないだろうと思って、三塁側内野指定席に座ったが、これが間違いであった。
ベイスターズファンもいるが、タイガースファンがいるいる。
勿論左翼の外野席は、黄色のシャツの人々で一杯である。
試合が始まった。
阪神の投手は、2メートル近い身長の藤浪であった。
横浜打線は、藤浪の球が打てない。
阪神の打者がヒットを打ち、点が入ると、阪神の応援団のうるさいこと、うるさいこと、トランペットとドラムが猛烈に響き渡る。
観客は、万歳万歳と飛び上がって喜ぶ。
私の前の席に座っている人々、横の席にいる人々も立ち上がって、大はしゃぎである。
それぞれの手に持っている小さいバットのようなものを、パチパチ叩いて喜ぶ。
その賑やかなこと、賑やかなこと。その賑やかさは半端な賑やかさではない。
レフトスタンドで応援を指揮している人に従い、球団の歌が、前からも脇からも、後からも聞こえる。
トランペットとドラムの音が、最大限のボリュームで球場に響き渡る。
内野席だから、その音響は届かないだろうと思っていたが、内野席にもうるさい程届く。
少し休んで、静かにしてくれないかと云いたくなった。
回が終わって次のインニングが始まっているにも係わらず、座ろうとしない。
後の席にいる私は、バッターボックスに誰がいるのか、それが見えない。
この賑やかな阪神タイガースの応援風景を見たくて、わざわざアメリカから日本に来たというアメリカの二人をテレビは放映していた。
何処のテレビ局であったか忘れたが、「ユー、日本に何しに来た」という番組でやっていた。
その番組は、成田空港、関西空港ロビーに待ち構えていて、日本に来た外国人を捉えて、「ユー、日本に何しに来た」と聞き、日本での行動を密着取材する番組である。
面白いから、時々、見ている。
その番組に、二人のアメリカ人が、「阪神タイガースの応援風景が見たいから日本に来た」と、訪日の目的を云ったのには、私はびっくりした。
アメリカでも阪神タイガースの応援団の応援風景が、テレビで流されているようだ。
そして、アメリカから航空代を支払って、わざわざ、それを見に来るアメリカ人がいることを知って再び驚いた。
番組は、密着取材し、甲子園球場に入場券を買って入るその二人の映像を見せて終わり。それ以上は野球放映権が無く、球場の取材許可が下りなくてダメと云うことであったようだ。
筒香のホームランは、見ることが出来なかった。家に帰り知ったが、5−1でベイスターズは負けた。
耳から入る阪神タイガースの応援団の騒々しさの音に疲れ、筒香もホームランを打ってくれないこともあり、試合は浅い回の途中であったが、筒香の二回目の三振スイングを見て、自宅まで一時間半程度かかることから、私は早々と帰路についた。
鑑定コラム483)「横浜にて・2008年晩秋」
鑑定コラム558)「絶品なり横浜「大さん橋の夜」の写真」
▲