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1660)都議選 自民57から23議席へ大敗

 おごれるもの久しからず。

 有名な平家物語の書き出しは、下記である。

 「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。おごれる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。たけき者も遂にはほろびぬ、ひとへに風の前の塵に同じ。」

 この名文句の書き出しの中にある「おごれる人も久しからず」から転じて、同じ意味の「おごれるもの久しからず」の諺がある。

 東京都の都議会議員選挙が、2017年7月2日(日曜日)に行われた。

 石原慎太郎元知事が決定した生鮮食料市場の築地市場の豊洲市場移転は、豊洲市場の地下から土壌汚染安全基準を大幅に越える危険数値が検出された。

 移転予定の豊洲市場は、東京ガスが、以前ガスを生産していた工場の跡地である。

 その様な場所を、生鮮食料を扱う食品市場に選定することがそもそも間違っている。

 安全基準を大幅に越える土壌汚染数値が検出されることは、充分予測された。

 小池新知事は、豊洲市場移転を一旦立ち止まって考えることも必要と云って、再検討すると政策発表した。

 そうした最中での都議選である。

 国政と地方選挙とは別であると、国政担当の自由民主党は嘯く。

 国政を担当している自民党の安倍内閣は、国有地の格安払い下げの森友事件、特区制度を利用した友人への特別優遇の加計学園事件、重刑の刑事事件の逮捕状もみ消し事件、疑いたくなる様な防衛大臣の失言等と首をかしげたくなる程の問題を抱えている。

 加えて本来は、内閣の行政の間違いを厳しく批判すべきマスコミであるべきなのに、政府批判する新聞社には、国税局を動かし、税務調査を理由にして国税の査察を入れ、政府批判をしないよう圧力をかける。

 些細な記者の旅費経費に法人税として認められないものが含まれているとして法人税法違反であると、重加算税を加えて、2、3千万円の法人税法違反追加課税が必要であると指摘、それが2年連続に国税局の査察が入れば、先ず経理部の方が悲鳴を挙げる。

 政府批判していた新聞社は、2社、1社と無くなり、最後は政府批判を全くしなくなる。

 国政は地方選挙には関係無いと政権党は嘯いていても、都民はそれ程愚かではない。

 下部組織とはいえ、国政の自民党と同じ自民党であり、都政第1党として今迄好き勝手にやって来た東京都の自民党に対して、東京都民はどう対応するか注目されていた選挙であった。

 私も東京都民の一人であり、選挙に一票を投じた。

 個人の一票などどうなるものでも無いと思う人は、必ず居る。

 しかし、一票一票が積み重ねられて、当選、落選が決まるのである。

 どこかからドカンと当選票が出てくるものではない。

 自分が一票を投票することは、自分の考えが結果の全体の中の流れの何処にあるのかを知ることが出来る。

 新しく出来た奔流の流れの中にあり、今迄の古い体制をぶちこわす流れの中の一票になったのか 、或いは新しい流れに取り残された流れの中にあり、自分は世の中の流れを見極められなかったか等を知ることが出来る。

 都議選の結果は、今迄都政を牛じって来た自民党東京支部が、壊滅的敗北を喫した。

 自民党に変わって、小池百合子知事が代表の「都民ファーストの会」という新しい地域政党が第一党となり、都政を担当することになった。

 都議選の自民党の大敗北は、国政とは無関係では無かった。

 日本経済新聞のウエブが都議選をどの様に伝えたのか、開票開始と開票終了後の記事内容を下記に記す。


(開票開始)

2017/7/2 20:00 日本経済新聞

ヘッドライン「小池系が過半数、自民大敗へ 都議選」

 「東京都議選(定数127)は午後8時に投票が締め切られた。即日開票する。出口調査をもとにした各党の議席獲得予想によると、小池百合子知事が代表を務める地域政党「都民ファーストの会」と、公明党などをあわせた小池氏の支持勢力で過半数の64議席を超す勢い。自民党は改選前の57議席を大幅に減らすのは確実で、第1党を維持するのは難しい情勢だ。」

 午後8時開票である。開票が始まると同時に日経ウエブは、上記のニュースを流す。開票直後に既に「自民党は改選前の57議席を大幅に減らすのは確実で、第1党を維持するのは難しい情勢だ」と述べる。


(開票終了) 

2017/7/3 1:04 日本経済新聞
 
 ヘッドライン「「安倍1強」岐路に 解散・改憲に不透明感」

 「東京都議選で自民党が過去最低の38議席を大幅に下回る23議席と歴史的惨敗を喫したことで「安倍1強」は岐路に立たされた。学校法人「加計学園」(岡山市)問題への批判や、閣僚・所属議員の言動への反発が都議選を通じて政権に大打撃を与えた。政権は党内の求心力確保が急務となり、内閣改造へ準備を急ぐ。安倍晋三首相が描く憲法改正や衆院解散・総選挙の戦略も、影響は避けられない。」

 都議選は、国政とは無関係ではなく、国政への影響大と述べている。


 都議選政党別議員当選数は、下記である。
 

           都民ファーストの会    55人(推薦6人を含む)
           公明党          23人
      自民党                    23人
           共産党          19人
           民進党                   5人
           東京生活ネットワーク       1人
           日本維新の会               1人

 公明党は、都民ファーストの会と議会運営協力するとして、選挙協力を締結して都議選に臨んだ。


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