2017年9月9日、日本人が陸上100メートル競争で、10秒を切った。
東洋大学4年生の桐生祥秀選手が、福井で行われた陸上日本学生対校選手権において、陸上100メートル競争で、日本人初の10秒を切る9.98秒の記録を出した。2位は関学大の多田修平選手で、10秒07であった。
桐生祥秀選手おめでとう。
今か今かと4年間待たされた。
待たされる度に、高校3年生の時が、身体能力は最高の時だったのかと何度も思わされた。
本人も10秒を切る男と期待されて苦しかったと思う。
そのプレッシャーに負けず、よくぞ10秒の壁を乗り越えてくれた。
桐生選手も苦しんだと思うが、コーチを務めた土江寛裕氏も大変なプレッシャーがあって苦しんだと思う。
土江寛裕コーチの苦労もねぎらいたい。
100メートルを10.0秒で初めて走ったのは、西ドイツのアルミン・ハリーであった。
1960年であった。昭和35年である。私が高校生の時であった。
世界一早い男は、西ドイツのハリーだと新聞で知ったことを思い出す。
それから57年経って、日本人が、10秒の壁を乗り越えることが出来た。
現在の100メートルの記録は、ジャマイカのウサイン・ボルトが2009年に作った9秒58である。0.42秒縮めるのに46年かかっている。1秒ではない。0.42秒である。それを縮めるのに46年の年月を費やしたのである。
そのボルトも、今年(2017年)ロンドンで開かれた世界陸上選手権を最後に引退した。8年間現役で世界一早い男として君臨した。引退後も9秒58の記録はしばらく破られないであろう。
日本の陸上100メートル競争に,輝かしい歴史が作られたことを祝いたい。
鑑定コラム1089)「10秒の壁は厚い」
▲