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1701)東京23区新築・中古マンション価格

 RC造の建築後55年程度経過している一棟中古マンションの等価交換建替事業に伴う建替従前価格、従後価格について鑑定評価した。

 東京の都心部は、土地価格が激しく上昇し、新築マンション・中古のマンション価格も値上りした。

 この価格現象に伴い、中古マンションの等価交換建替事業が活発化して来た。

 中古マンション所有者は、自己資金の負担が全く無くて、築55年の中古マンションから、ピッカピッカの新築マンションに移り住み替えすることが可能となって来た。

 マンション業者は、土地を購入する必要は無く土地投下資本がゼロ円で、マンション事業を行うことが出来る。

 区分所有者、マンション業者それぞれが利益を享受出来る。但しこの旨味のある等価交換建替事業は、全ての中古マンションに適合出来るものではない。いくつかのハードルがある。

 築55年のマンション建替事業に伴う従前・従後の鑑定評価で、東京23区の新築マンション価格、中古マンション価格を調べて見た。

 その調査結果の一部を記す。

 最初に新築マンションの価格について記す。

 株式会社不動産経済研究所の『首都圏のマンション市場動向』によれば、東京23区の新築マンションの価格とu当り価格は、下記である。単位万円。

                                価 格         u当り価格

2007年      6,120      85.6 2008年      5,932      85.3 2009年      5,190      79.8 2010年      5,497      82.9 2011年      5,339      81.1 2012年      5,283      80.1 2013年      5,853      86.5 2014年      5,994      87.3 2015年      6,732      98.7 2016年      6,629      100.5

 東京23区の新築マンション価格は、2011年(平成23年)を底にして、大巾に上昇している。

 安倍内閣と黒田日銀による金融の超超緩和政策の金が、不動産に流れ込み、新築マンション価格が値上りした。そのことを如実に物語る数値である。

 2017年の価格については、1月〜直近までの各月の金額を下記に記す。

                                価 格         u当り価格

2017年1月     9,148      132.0 2017年2月     6,956      106.6 2017年3月     6,628      96.8 2017年4月     7,045      103.5 2017年5月     7,378      110.7 2017年6月     6,707      106.6 2017年7月     7,379      111.1 2017年8月     6,947      110.8 2017年9月     7,364      110.2 2017年1月〜9月 7,172 109.8

 2017年1月の価格は、超高級マンションの分譲発売が集中したことによるのか著しく高い。

 現在の23区新築分譲マンション価格は、7,100万円を中心にして上下推移している。u当り単価も110万円程度である。

 次に東京23区の中古マンション価格について記す。単位万円

 公益社団法人不動産流通推進センター(従前の不動産近代化センター)の発表による東京の中古マンションの価格は、

          平成24年1月〜12月   u当り 48.2万円(注)
              平成25年1月〜12月    〃   50.7万円
              平成26年1月〜12月    〃   55.0万円
              平成27年1月〜12月    〃   59.1万円
              平成28年1月〜12月    〃   65.5万円

(注)各年の1月〜12月の平均である。計算は田原による。


である。
 中古マンション価格も平成24年からの値上りは激しい。

 平成29年(2017年)の価格については、1月〜直近までの各月の金額を下記に記す。

              平成29年1月         u当り 64.5万円
              平成29年2月          〃   63.7万円
              平成29年3月          〃   64.8万円
              平成29年4月          〃   66.0万円
              平成29年5月          〃   64.0万円
              平成29年6月          〃   64.4万円
              平成29年7月          〃   64.0万円
              平成29年8月          〃   66.8万円
              平成29年1月〜8月     〃   64.5万円

である。

 平成29年1月〜8月の平均価格64.5万円は、平成28年1月〜12月の平均価格65.5万円を越えていない。

 このことは、中古マンション価格の値上がりの天井が見えて来たと云えることになるのか。

 上記価格は、新築、中古マンションとも、それぞれの価格の鑑定評価する時の時点修正率算出の資料になるであろう。


  鑑定コラム1994)
「首都圏新築マンション分譲不振」


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