Jリートの一つであるジャパンリアルエステート(JRS)という投資法人がある。
JRSの会社案内によれば、JRSは「良質なオフィスを保有する大型投資法人で、三菱地所、東京海上火災保険、三井物産、第一生命」が運営に関与しているという。格付け会社のS&PではA+、ムーディズではA2であるという。
そのジャパンリアルエステートが、今年(2004年)に入ってから凄まじい勢いで賃貸ビルの購入を行っている。
ジャパンリアルエステートのホームページのプレスリリースより、購入物件をピックアップして検討してみる。
直近の購入は、平成16年(2004年)8月25日、東京新宿区西新宿3丁目にある親和ビルディングという賃貸ビルを78.3億円で購入した。平成元年建築で、年間賃料収入は4.87億円、総賃貸可能面積は6,265uの物件である。
粗利回り=年間賃料収入÷購入価格
とすると、同物件は、
4.87億円÷78.3億円=0.062
で、粗利回り6.2%である。
必要諸経費率を35%とすれば、
6.2%×(1−0.35)=4.0%
還元利回りは4.0%である。
賃料は、
487,000,000円÷12÷6,265u≒6,480円
u当り6,480円である。
他の賃貸ビルの価格と比較するに便利な、賃貸面積u当り価格は、
7,830,000,000円÷6,265u≒1,250,000円
125万円である。
以下次の賃貸ビルを購入している。
・平成16年7月26日、池袋YSビル(豊島区南池袋1丁目)、平成元年築、購入価格45億円、年間賃料収入4.03億円、総賃貸可能面積5,175u
・平成16年6月30日、東五反田1丁目ビル(品川区東五反田1丁目)、平成16年築、購入価格55億円、年間賃料収入3.57億円、総賃貸可能面積5,205u
・平成16年4月1日、代々木1丁目ビル(渋谷区代々木1丁目)、平成15年築、購入価格87億円、キャプレート5.7%
・平成16年3月22日、NHK広島放送センタービル(広島市中区)、平成6年築、購入価格13.25億円、年間賃料収入1.35億円、総賃貸可能面積5,470u
・平成16年3月17日、日本ブランスウイックビル(渋谷区千駄ヶ谷5丁目)、昭和49年築、購入価格66.7億円、年間賃料収入6.74億円、総賃貸可能面積7,347u
・平成16年3月12日、恵比寿ネオナート(渋谷区恵比寿4丁目)、平成6年築、購入価格3.6億円、年間賃料収入0.27億円、総賃貸可能面積237u
ジャパンリアルエステートが、今年(2004年)1月より購入した7つの賃貸ビルを、前記親和ビルで分析したごとく、粗利回り、還元利回り、u当り賃料、賃貸面積u当り価格を分析すると、下記の通りである。
ビル名 粗利回り 還元利回り u賃料円 賃貸u価格円 親和ビル 0.0622 0.040 6,478 1,250,000 池袋YSビル 0.0896 0.058 6,490 870,000 東五反田1丁目ビル 0.0649 0.042 5,926 1,100,000 代々木1丁目ビル 0.057 NHK広島センタービル 0.1023 0.066 2,057 240,000 日本ヴランズウイック 0.1010 0.066 7,645 910,000 恵比寿ネオナート 0.0750 0.049 9,494 1,520,000