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1882)毎月勤労統計調査の指数の不動産鑑定への影響

 2019年の通常国会が2019年1月末から始まっている。

 政権与党と野党との国会論争が、委員会でくり広げられている。

 毎月勤労統計調査の担当省は、厚生労働省であり、大臣、官房長等厚労省の幹部そして、統計を担当している部署の幹部が国会に呼ばれて毎月勤労統計調査の仕方が法律に規定されているのに、何故法律の規定通りの統計手法を取らなかったのかと質疑応答されている。

 何れの厚労省の幹部、担当部署の人々は、知らぬ存ぜぬである。

 法律違反の調査の仕方によった毎月勤労統計調査によって、失業保険とか労災保険金額の影響を受ける人が2000万人とか云われ、追加支払金額は500億円云々と云われるが、統計手法が法律違反であったことは知らなかった、その様な影響が出るとは知らなかった、思わなかったの答弁である。

 いわゆる「役所の無謬性」を地で行っている。
  
 10年程前に建てた建物の建築費は分かっているので、現在の再調達原価はいか程か調べるために、最新発表値の建設工事費デフレーターを知ろうと、国土交通書のホームページを訪れた。

 同省のホームページの建設工事費デフレーターの個所を開いたところ、下記の文言が記載されていた。


 「〇お知らせ(平成31年1月30日付け)
 平成31年1月31日に公表予定の建設工事費デフレーター(平成30年11月分) は、公表を延期し、2月中旬頃に公表を予定しています。

 建設工事費デフレーターは、毎月勤労統計調査の指数を平成23年度基準に換算しています。

 この度、厚生労働省から平成31年1月23日に公表された東京都の「500人以上規模の事業所」について復元して再集計した値(再集計値)は、平成24年1月以降の期間となっており、平成23年度基準への換算に必要な平成23年4月から12月までの指数が公表されていません。

 そのため、平成24年1月以降の再集計値と平成23年12月以前の数値の接続方法を検討した後、公表するものとします。」
(http://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/jouhouka/sosei_jouhouka_tk4_000112.html)


 建設工事費デフレーターに発表されている指数は、2018年10月までの数値でそれ以後の数値は発表されていない。

 例えば、非木造非住宅の2018年10月の構造別デフレーター指数(2011年=100)は、

        鉄骨鉄筋コンクリート造   109.9
        鉄筋コンクリート造          109.2

である。

 仕方ないことから10年前の指数と最新値でない2018年10月の指数から求められる変動率を、10年程前の新築建築工事費に乗じて、現在(2019年2月)の再調達原価とせざるを得なかった。
 
 まさか建設工事費デフレーターに、厚労省が調査発表している毎月勤労統計調査の指数が使われているとは思わなかった。

 それによって、建設工事費デフレーターが計算出来ない状態にあるとは知らなかった。

 結果、厚労省の毎月勤労統計調査の指数が、私の仕事の不動産鑑定評価にも影響を与えていることを知ることになった。

 再集計値の平成23年4月から12月までの毎月勤労統計調査の指数が分かった場合、既に発表されている2018年10月までの建設工事費デフレーターの指数数値が、全部変更されることになるのであろうか。

 間違った仕事をしていても誰も責任をとらない「役所の無謬性」は、何とかならないか。


  鑑定コラム1884)
「2012年2月以降の建設工事費デフレーターの全ての数値が変更」


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