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1881)今年(2019年)は不景気突入の前倒しの年なのか

 帝国データバンクが、2019年2月5日に『TDB景気動向調査(全国)2019年1月調査』を発表した。

 その調査結果の見出しは、「国内景気、後退局面入りの兆し」とある。

 10業界のうち、農・林・水産業界を除く9業界の全ての景気動向が、前月比マイナス値と調査発表している。

 2019年1月の景気DI値は、48.1である。

 帝国データバンクの景気DI値は、6区分の景気状況に分け、それぞれに次の評点を付けている。

              非常に良い      6
              良い         5
              やや良い       4
              どちらともいえない    3
              やや悪い       2
              悪い         1
              非常に悪い      0

 この評点とデータ数から求められる平均値に100を乗じて、景気DI値を求めている。

 景気DI値が50より上であれば景気は「良い」、50より下であれば景気は「悪い」と云うことになる。

 2019年1月の景気DI値は48.1であるから、景気は少し悪いということであろうか。

 帝国データバンクは、今年(2019年)1年の景気状況予測値を求めている。

 そのDI値は、下記である。

            1ヶ月後   47.7
            3ヶ月後     47.5
            6ヶ月後   47.3
            1年後    46.1

 今年1年の景気上向きは無い。景気は悪くなると数値は云っている。

 東京オリンピック(2020年夏)迄は景気が良く、オリンピック終了後は景気が悪くなると世評は云っているが、現在は東京オリンピックの1年前である。

 世評に従えば景気が良い年であることになるが、帝国データバンクの調査では、景気は下がり気味でDI値は50を切り、46.1迄になるという。

 これでは、2019年は不景気の前倒しの年ということになってしまう。

 不動産業の景気DI値は、

          2018年11月    49.3
          2018年12月    49.7
          2019年1月     49.1

である。

 その調査のコメント記事として、景気良い分野で2つ、景気悪い分野で3つの内容が記述されている。景況の具体的状況が書かれており、興味引く内容であるから記す。
  
 景気が良い内容は、下記である。

 1つは、「空室が少なく、家賃収入のロスが減少している(貸事務所)」
 2つは、「国際バルク戦略港湾の本格稼働が始まり、流通拠点として企業進出や社員増員など勢いがある(不動産管理)」

 一方、景気が悪い内容は、下記である。

 1つは、「住宅ローンなどの与信の引締を感じている(建物売買)」
 2つは、「分譲住宅地の動きが悪い(土地売買)」
 3つは、「例年の1月より反響が少ない(土地売買)」

 不動産業で景気の良い分野は、都心の賃貸事務所ビル会社と、物流賃貸倉庫会社であるようだ。

 不動産業で景気の悪い分野は、建売業者、土地分譲業者、仲介業者であるようだ。

 こうした状況から推測すると、不動産会社の倒産が遠からず増えてくるのではなかろうかと思われる。

 2019年1月の不動産業者の倒産は、帝国データバンクの調べでは、19件である。

 対前年同月比では1件の増であり、まだまだ倒産件数は低い水準にある。

 しかし、2019年1月の終わりの30日に、負債額が450億円という巨大な金額を抱えて、会員制リゾートホテルの「エメラルドグリーンクラブ」が倒産したと帝国データバンクは伝える。

 2018年1年間の不動産業の倒産は248件であったが、今年は昨年を上回る倒産件数になるのでは無かろうか。


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