2020年5月8日に帝国データバンクが、「TDB景気動向調査 2020年4月」を発表した。
2020年4月28日に鑑定コラム2078)「不動産業倒産年間447件が来る」を発表し、その記事で、今後不動産業の倒産件数が年間447件の時が来ると予測した。
その根拠になったのは、帝国データバンクが発表した2020年3月の不動産業のDI値31.6であった。2月の42.0の値より▲10.4ポイントの減であった。
2020年5月8日に発表された2020年4月TDB不動産業景気DI値は、21.9である。驚くべき値が出てきた。
3月より▲9.7ポイント減である。2ヶ月間に▲20.1ポイントの減である。
昨年1年間で、49.1→44.2の値の変動で変動巾▲4.9ポイントである。それがここ2ヶ月で4倍の▲20.1ポイント減である。
昨年1年間の状況と比較して、現在の状況は、状況を生じさせる環境そのものが、全く異なっている環境に成ってしまっていると云える。益々不動産業の先行き不景気化の可能性が高くなる。
DI値21.9の値は、2010年11月の21.7以来の低いDI値である。2010年とは、平成22年である。
その年は、リーマンブラザーズが倒産して不動産ファンドバブルが崩壊し、日本経済が何とか立ち直りつつある時期である。翌年平成23年3月の東日本大震災で再び日本経済はたたきのめさせられるが。
帝国データバンクの同調査に伴う「業界別の景況企業の声」が記載されている。
不動産業の現在の声、先行きの声を各1つを記すと、下記である。
(現在の声)
「賃料の減免相談が管理戸数の10%超で発生(不動産代理・仲介)」
(先行きの声)
「新型コロナウイルスの影響が長引けば、賃貸契約の解約が増え賃貸収入の減少になる。新規契約は取れず、相場全体が下がる(土地賃貸)」
先行きの声は(土地賃貸)とあるが、建物賃貸の間違いでは無かろうかと思う。
直近の不動産業DI値を、下記に記す。
2019年12月 44.2 2020年1月 45.9 2020年2月 42.0 2020年3月 31.6 2020年4月 21.9