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2229)鑑定コラム1751「住宅ローン金利の推移」が読まれている 2021年3月

 2021年になって鑑定コラム1751)「住宅ローン金利の推移」にアクセスが多い。

 このコラムは、2018年3月8日に記事アップしたものである。3年前の記事に何故かアクセスが多くなった。

 苦労して1978年(昭和53年)4月以降の住宅ローン金利を調べ上げた記事である。

 記事を読み、訪問者の知識が増え、訪問者の判断行動に役立つ事になることは、記事を書いた私にとっては有り難いことであるが、何故今なのか私には分からない。

 最近住宅ローンについて、何か変わった事件等があったのであろうか。

 政府系の金融支援機構(旧住宅金融公庫)が、ネットにプレスリリースしている最近の調査報告を覗いて見た。いくつかの調査結果が発表されている。

 2021年1月の発表記事として、同機構の国際・調査部の発表として、『業態別の住宅ローン新規貸出額及び貸出残高』の調査報告書がある。

 それによると、住宅ロ−ンの2020年度上半期(2020年4月〜9月)の主な金融機関の住宅ローン新規貸出額は、9兆8334億円である。

 2019年上半期は、10兆7663億円である。

                  9兆8334億円
               ────────   = 0.913                          
                 10兆7663億円
 住宅ローンの貸出額は、対前年同期比で▲8.7%減じている。

 同じ同機構の国際・調査部の発表として、2021年1月に『住宅ローン利用者の実態調査(2020年11月調査)』の調査報告書がある。

 その報告書は、2020年4月〜9月の住宅ローン(フラット35を含む)の借入者を対象にして、どんな金利タイプの住宅ローンを利用したかの調査が発表されている。

 住宅ローンの金利タイプは、変動型、固定期間選択型、全期間固定型である。

 その中で、2020年5月の調査結果と比較して増えているのは、変動型の利用者増である。他の型の利用者の割合は減じている。
         変動型       60.2%→62.9%
         固定期間選択型  26.6%→24.5%
         全期間固定型      13.2%→12.6%

 今後1年間の住宅ローンの金利の見通しについては、下記である。
        現状より上昇する    20.1%→18.1%
        ほとんど変わらない    57.3%→66.1%
 住宅ローン金利が上昇すると予測する人は減り、ほとんど変わらないと予測する人が増えている。

 三菱UFJ銀行の住宅ローン金利(2021年3月22日現在)を、同銀行のホームページより転載すると下記である。新規取引契約者の金利である。


 (変動タイプ)
                 毎月型          年2.475%
                 年2回型                   年2.475%

 (固定特約) 当初1年間固定 年2.850% 当初2年間固定 年2.950% 当初3年間固定 年2.940% 当初5年間固定 年3.350% 当初7年間固定 年3.300% 当初10年間固定 年3.290% 当初15年間固定 年4.400% 当初20年間固定 年4.640%

 上記ローン金利を見ると、原則として長期金利は短期金利よりも高い数値になっている。1年固定の金利は2.85%であり、20年固定は4.64%であり、長期金利は短期金利よりも高い。

 償還期間の短い金利の方が、償還期間の長い金利より低い場合を順イールドという。逆の場合、つまり短期金利が長期金利より高い場合を逆イールドという。

 一般的には順イールドである。上記三菱UFJ銀行の住宅ローン金利も順イールドである。

 しかし、上記三菱UFJ銀行の住宅ローン金利の固定期間5年〜10年の金利を見て欲しい。期間5年が3.350%、10年が3.290%になっている。逆イールドの現象を起こしている。これは何を意味するのか。何か銀行の思惑があるであろうと推測する。

 民間銀行の不動産事業会社への貸出金利はいかほどであろうか。

 不動産投資信託であるJリートの代表的投資法人である日本ビルファンド投資法人が、2021年2月14日付で同法人のホームページで情報公開している三菱UFJ銀行からの100億円の借り入れ金利は、
                 40億円が0.18%(返済期間5年)
                 60億円が0.45%(返済期間10年)
である。

 なお、日本銀行の基準貸付利率は、2008年12月10日以降0.3%である。


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「住宅ローン金利の推移」


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