スタートラインからダッシュした強者どもの男達が、猛烈なスピードで走る。
世界で最速の男達が、100m先のゴールをめがけて走る。走る。
電車もトンネルの中を競うごとく走る。
男達はゴールになだれ込んだ。
世界で最も早い男は誰か。
2005年8月世界陸上選手権ヘルシンキ大会開催の字幕と共に、トンネルの黒い壁が窓越しに再び流れる。
東京メトロ銀座線の溜池駅〜赤坂見附駅間で繰り広げられるトンネル広告の映像である。
本ホームページの鑑定コラムの169「東京メトロトンネルの驚くべき有効利用」で、東京メトロトンネルの動く立体感ある広告の出現に驚き記事を書いた。
その時、映像の夢を次のごとく書いた。
「オリンピックの100メートル競走決勝の、世界一早い強者どものスタートからゴールまでの走る10秒の姿が、列車の進行と競争するごとく見られたら、すばらしいものだろうと映像を想像したくなる」と。
その夢に似た映像がそっくり現実に登場した。
広告会社が私のホームページを見てヒントを得て作ったとは思わない。たまたまアイデアの偶然の一致であろう。
そもそも広告会社の人が、私のマイナーなホームページの鑑定コラムなど見ているはずがない。
とはいえ、地下鉄に乗ってトンネルの動く立体感のある映像広告を見るのが益々楽しみになってくる。今度はどんなバージョンが飛び出て来るのか興味が湧く。
わずか10余秒の瞬間のコマーシャルであるが、確実に印象に残る。
今年(2005年)の8月にヘルシンキで、世界陸上選手権の大会が開かれるのだなということが、現実に私の頭に入り、記憶されてしまったのである。広告の効果は絶大である。
地下鉄銀座線に乗って、虎ノ門から赤坂見附に向かう時には、座席に空席があっても絶対座らず、進行方向右側の吊革につかまり、地下鉄の電車の窓を見ることにしている。退屈な電車の中でのつかの間の楽しみである。
なお上記記事に引用した鑑定コラムは、下記をクリックすれば見られます。
鑑定コラム 169)
「東京メトロトンネルの驚くべき有効利用」