○鑑定コラム
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借地上の貸ビルの家賃と当該借地の地代との間には、何らかの関係があるのではなかろうか。
貸ビル業は事業経営である。
家賃は収入であり、借地の地代は経費である。
事業経営にあっては収入と経費支出の間には、目に見えない経験則による経済法則が必ずあるはずである。
経費が多くて収入が少なければ、事業は赤字となり企業経営は成り立たない。
賃貸ビル経営するためには、借地の場合の地代の家賃収入に対する許容出来る割合範囲があるのではなかろうか。
借地上に建つ貸ビルの家賃と、その当該土地の地代のデータを集めてみた。
地代のみ分かる場合は、借地上に建築基準法上許容の賃貸建物を建て、周辺の賃料より家賃を比較して家賃収入を想定して、データ分析してみた。
データは2004年1月以降のデータである。
地代は、当該土地の月額地代で、家賃はその借地上の月額家賃収入総額である。 両者の割合は、
地代÷家賃=家賃に対する地代の割合
である。賃料は支払賃料である。
(商業地)
所 在 u当り地代 地代/家賃
墨田区緑1丁目 1,235円 0.155
中央区日本橋浜町3丁目 690円 0.108
港区赤坂3丁目 2,953円 0.157
文京区湯島1丁目 1,251円 0.145
台東区浅草2丁目 1,361円 0.139
墨田区江東橋3丁目 1,165円 0.107
平均 1,442円 0.135
(標準偏差0.022)
(住宅地)
所 在 u当り地代 地代/家賃
目黒区下目黒5丁目 357円 0.095
江東区森下1丁目 143円 0.058
台東区入谷2丁目 378円 0.077
墨田区墨田2丁目 190円 0.063
目黒区五本木2丁目 236円 0.060
目黒区洗足2丁目 197円 0.081
平均 250円 0.072
(標準偏差0.013)
上記分析より、地代と家賃の間には関係があることが分かった。
データは商業地、住宅地とも6データづつで少ないが、地代は家賃に対して、
商業地 0.135
住宅地 0.072
の関係があることが分かった。
例えば、商業地にある貸ビルで、家賃収入が月額800万円あるとすれば、その地代は、
800万円×0.135=108万円
である。
住宅地にあって、月額80万円の収入のアパートの場合、その借地の地代は、
80万円×0.072≒5.8万円
である。
家賃収入に対して地代が高いか、安いかの判断が、この割合を使えば出来ることになる。
また、上記のごとく家賃収入から、当該土地の地代のあるべき水準がわかる。
ここで求められた地代を土地面積で除せば、地代単価が求められる。
そうして得られた地代単価を他の地代例の単価と比較することにより、地代の妥当性の判断をより適正化に近づけることが出来る。
家賃と地代の関係を分析し、両者の間に関係が存在すると、その関係を具体的に実証証明したものは今迄無かった。
家賃と地代の間には関係が存在することが分かった。家賃より地代を求めることができる。この手法をどう名付けて良いものか。
「家賃割合法」とでも、私が勝手に名前を付けておこうか。
(2005年7月27日 プログレス主催「地代の評価」のセミナー講演の講義録の一部から)
なお家賃と地代に関する記事の一部として、鑑定コラムには次のものがあります。
鑑定コラム 41)
「田の還元利回り4.2%」
鑑定コラム 244)
「東京周辺の県庁所在地の、ある商業地の地代」
鑑定コラム634)「給与収入に占める地代負担率7.7%」
本鑑定コラムには家賃割合に付いての多くの記事があります。鑑定コラムの中の家賃割合に関しての記事を検索する場合には、グーグル或いはヤフーの検索窓に下記をコピーして貼り付け、検索実行すれば関連記事の一覧が表示されます。又「家賃割合」の検索日本語の所の言語を替えて検索すれば、その関係の記事一覧が検索されます。
家賃割合 site:www.tahara-kantei.com
又、本鑑定コラムには地代に付いての多くの記事があります。鑑定コラムの中の地代に関しての記事を検索する場合には、グーグル或いはヤフーの検索窓に下記をコピーして貼り付け、検索実行すれば関連記事の一覧が表示されます。
地代 site:www.tahara-kantei.com
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