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2554) 地価LOOK令和4年第4四半期の地価下落地点はゼロ 地価DI値は89

 国土交通省が、2023年2月24日に、2022年第4四半期(令和4年10月1日〜令和5年1月1日)の地価LOOKの調査結果を発表した。

 それによると、全調査地点80地点のうち、前期1地点であった下落地点が横ばいになり、地価下落地点はゼロになった。
 
 全ての地区において地価は、上昇又は横ばいとなった。これは令和元年第4四半期以来3年ぶりと云う。

 「これは令和元年第4四半期以来3年ぶり」という令和元年第4四半期は、後述するが「地価DI値97」の四半期である。

 前期(令和4年7月1日〜10月1日)から、地価上昇率が(0〜3%)から(3〜6%)になった地点は1地点で、東京中野区の中野駅周辺の商業地である。

 地価が横ばいから(0〜3%)になった地点は6地点で、下記の商業地である。

 
   ・郡山市 郡山駅周辺
   ・新宿区 歌舞伎町
   ・渋谷区 表参道
   ・金沢市 金沢駅周辺
   ・神戸市 三宮駅前
   ・福岡市 博多駅周辺

 地価が下落から横ばいになった地点は1地点で、次の商業地である。
   ・熊本市 下通周辺

 上記熊本市下通周辺は、地価動向報告によると、最寄駅等は下記である。

 「JR鹿児島本線熊本駅から北東方へ約3km、市電通町筋駅(熊本駅前まで市電で約14分)の南側周辺、下通アーケード街を中心として、小売店舗等が建ち並ぶ中心商業地区。」

 上記熊本市下通周辺商業地の土地価格が、唯一、2022年第4四半期の地価が前期は地価下落であったが、今期横ばいになった。

 このことについて、この地点を調査した不動産鑑定士の調査コメントは、以下のごとく記されている。

 「当地区の南西方に大規模商業施設が令和元年9月に開業して中心商業地全体の繁華性が更に高まり、取引価格は総じて上昇傾向となっていたが、新型コロナウイルス感染症の影響によって市場の過熱感は沈静化し、取引価格は横ばい傾向となって」

と記す。

 令和4年1年間の三大都市圏+地方圏(全国)の80地点の各四半期の地価動向を示すDI値は、下記である。


四半期 上昇 横ばい 下落 地点合計 DI値
令和4第1 46 21 13 80 41
令和4第2 58 17 5 80 66
令和4第3 65 14 1 80 80
令和4第4 71 9 0 80 89


 地価DI値は地価の動向傾向を示す値で、下記算式で求められる。

                 上昇地点−下落地点
              ─────────── ×100                          
                      全地点数

 なお、地価DI値は国土交通省は発表していない。国土交通省の発表している地価LOOKレポートの地価上昇地点数、横ばい地点数、地価下落地点数より、田原が上記算式で算出しているものである。日本全国で誰も行っていない。唯一、田原が計算し発表しているだけである。

 平成19年からの各四半期のDI値は下記である。


四半期 DI値
平成19年第4 85
平成20年第1 32
平成20年第2 -25
平成20年第3 -85
平成20年第4 -99
平成21年第1 -99
平成21年第2 -98
平成21年第3 -98
平成21年第4 -95
平成22年第1 -81
平成22年第2 -67
平成22年第3 -57
平成22年第4 -43
平成23年第1 -66
平成23年第2 -54
平成23年第3 -45
平成23年第4 -32
平成24年第1 -17
平成24年第2 -1
平成24年第3 3
平成24年第4 17
平成25年第1 41
平成25年第2 59
平成25年第3 65
平成25年第4 77
平成26年第1 77
平成26年第2 79
平成26年第3 83
平成26年第4 83
平成27年第1 84
平成27年第2 87
平成27年第3 87
平成27年第4 89
平成28年第1 90
平成28年第2 88
平成28年第3 82
平成28年第4 84
平成29年第1 85
平成29年第2 86
平成29年第3 86
平成29年第4 89
平成30年第1 91
平成30年第2 95
平成30年第3 96
平成30年第4 97
令和元年第1 97
令和元年第2 97
令和元年第3 97
令和元年第4 97
令和2年第1 69
令和2年第2 -37
令和2年第3 -44
令和2年第4 -23
令和3年第1 1
令和3年第2 6
令和3年第3 10
令和3年第4 38
令和4年第1 41
令和4年第2 66
令和4年第3 80
令和4年第4 89


 上記地価DI値をグラフ化したのが、下記グラフである。地価動向がはっきりと図示化されてわかる。



地価LOOK 全国地価DI値 平成19年〜令和4年第4四半期グラフ



 2022年第4四半期の地価DI値は89である。

 平成30年第4四半期〜令和元年第4四半期のごとく100の値に近くまで行くであろうか。

 日銀総裁も2023年4月から替わることから、果たして、次の総裁による日銀の政策変更がなされるか。政策変更が行われず、不動産業への金融超超緩和政策が続き、それによって地価上昇が続き、地価DI値が100に近づくことが再びあるであろうか。


  鑑定コラム2369)「地価LOOKの3つのDI値グラフ」
   
  鑑定コラム2265)「平成19年第4四半期からの「地価LOOKレポート」DI値」



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