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2265)平成19年第4四半期からの「地価LOOKレポート」DI値

 鑑定コラム2262)の「地価LOOK 東京圏令和3年3月地価DI値は0」で、東京圏43地点の高度土地利用地の令和3年3月末の土地価格動向が、値上り地点、値下がり地点が同じで、土地価格DI値はゼロと分かった。

 令和元年(平成31年)では、同じ東京圏43地点の地価DI値は95であった。ほぼ地価全面高の状態であった。それが2年経った令和3年3月末ではDI値は0である。

 つまり地価は大幅に下落した。

 年1回の地価公示価格で、土地価格の状況ははっきりと分かるが、地価対策の政策を行うには、年1回の地価公示価格の結果を待っていては、手遅れになる場合が生じる。

 地価の動向を把握し、景気対策、金融政策に対応する必要がある。

 平成バブルが平成2年頃弾け、地価は大幅に下落し、その事により日本経済は壊滅的打撃を受けた。幾つかの銀行、大企業の幾つかは倒産した。

 地価暴落による経済の影響が余りにも大きく、政府は何をしていたのかと強い批判を浴びた。

 平成バフルの崩壊後、暫く地価は低迷を続けた。

 しかし平成17年頃から再び地価は上昇し、不動産ファンドバフルと呼ばれる土地価格の高騰現象が生じた。

 不動産ファンドバブルは平成19年7月に破裂した。

 2度の地価高騰を招き、土地価格政策を担当する国土交通省も、年1回の地価公示価格だけでは地価動向の把握は遅いと自覚したのかどうか分からないが、平成19年第4半期より、四半期ごとの地価動向を調査し、発表する様になった。

 対象地域は、三大都市圏+地方圏の100箇所の高度利用土地である。

 「主要都市の高度利用地地価動向報告」と云う調査である。通称「地価LOOKレポート」と呼ばれるものである。

 東京圏43地点、大阪圏25地点、名古屋圏9地点、地方中心都市等23地点で合計100地点である。

 商業地と住宅地の割合は、商業地68地点、住宅地32地点である。

 いずれも店舗、事務所等が高度に集積している地点、高層住宅等により高度利用されている地点である。

 調査は価格値上がり、価格横ばい、価格下落という表示で調査されている。

 こうした調査であれば、その調査結果を利用して、価格横ばいを無視し、価格値上がり地点数から価格下落地点数を差引、全体数で割れば、それはDI値と呼ばれる動向値が求められる。

              値上がり地点数−値下がり地点数
        ────────────────── ×100=DI値            
                     調査地点数

 平成19年第4四半期からの全国の「地価LOOKレポート」より、土地価格DI値を求め、それのグラフを作成すると、下記のグラフである。




地価LOOK DI値 平成19年第4四半期から



 上図を見れば、平成19年の不動産ファンドバブルの崩壊、その後の黒田日銀の超々金融緩和による長期の地価高騰(それは不動産リートバブルと呼ばれる)と、その不動産リートバブルの崩壊がはっきりと分かろう。

 下記にデータ一覧を記す。


四半期 DI値
平成19年第4 85
平成20年第1 32
平成20年第2 -25
平成20年第3 -85
平成20年第4 -99
平成21年第1 -99
平成21年第2 -98
平成21年第3 -98
平成21年第4 -95
平成22年第1 -81
平成22年第2 -67
平成22年第3 -57
平成22年第4 -43
平成23年第1 -66
平成23年第2 -54
平成23年第3 -45
平成23年第4 -32
平成24年第1 -17
平成24年第2 -1
平成24年第3 3
平成24年第4 17
平成25年第1 41
平成25年第2 59
平成25年第3 65
平成25年第4 77
平成26年第1 77
平成26年第2 79
平成26年第3 83
平成26年第4 83
平成27年第1 84
平成27年第2 87
平成27年第3 87
平成27年第4 89
平成28年第1 90
平成28年第2 88
平成28年第3 82
平成28年第4 84
平成29年第1 85
平成29年第2 86
平成29年第3 86
平成29年第4 89
平成30年第1 91
平成30年第2 95
平成30年第3 96
平成30年第4 97
令和元年第1 97
令和元年第2 97
令和元年第3 97
令和元年第4 97
令和2年第1 69
令和2年第2 -37
令和2年第3 -44
令和2年第4 -23
令和3年第1 1


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